異世界鴨嘴人

・顔


全身を短く茶色い毛がびっしりと生えている。横に広いゴムのような黒い嘴を持ち、これには歯はないが神経は通じている。目は離れていて、一般的な感性からは良くて愛嬌がある、だがやっぱり間抜けに見える。少なくとも、強そうではない。

男。


・体格


160cm  50kg

細身ながら引き締まった体をしている。両手両足は人間に酷似しているが指の間に水掻きがあり、先も鋭い爪になっている。

踵に蹴爪が生えており、そこから毒を分泌している。

肉食寄りの雑食。


・服装


服は黒一色で統一している。ロングコートとズボン、靴は自前のもので下着はカンパニーのオーダーメイド。


・職業


勇者


・経歴


異世界転送実験に相互干渉によって現れた、別の異世界からの転移者。

本人曰く、神様と呼ばれる存在がうっかり落としたドライアイスに当たって死んでしまい、お詫びに異世界ライフをもらったとのこと、今は勇者として青色はハギス娘とハーレムを築いていい感じだったらしい。

彼の世界での基準では、人間とはカモノハシから進化したもので、これまで巡って来た異世界でも多かれ少なかれカモノハシだったと話している。

その特異な存在と、天然物の異世界転移者、それもプラスの変異を起こしているということで、この上なく貴重なサンプルなのだが、友好関係を結んでおいた方がよいとカンパニーは考えている。

そのまま転送しても良かったのだが、それでは他に示しがつかないため、戦闘実験に参加してもらっている。


・性格


本人はごく普通の十五歳だと言っているが、過酷な状況でも前向きに進む精神的強さ、かわいー女の子を助けるためならば世界にも喧嘩を売る正義感、そして優しさは英雄として必要な条件をクリアしている、らしい。

自分語りが多く、相手の話を聞かない。自信家で自分の正しいと思った方法に固執し、人のアドバイスは無視する。それで持ち前の能力により結果を出せているため反省などしない。

敗北や挫折というものを知らず、また目上の人と会う機会もなかったため、場の空気が読めない。一方で怒られた経験もないため、ちょっとしたことでぶちぎれて大暴れする、精神的爆弾を抱えている。

こちらの外見に対する感想は、こちらが彼に対して向けるのと大体同じ。それ故にこちらの存在は一切がかわいーくない、ので平然と殺す。

好物はコオロギ、歯がないのでドロドロにしたスープを普通の食事と言う。


・能力


チート能力、こちらの世界に来ただけで言語だけでなく、歴史や科学技術を完全に理解している。また、どうやっているのか周囲の生命体を感知し、その上で個体名、装備、敵味方の判別までできる。それ以上の情報もわかるらしいが口を濁して話さない。

オートエイム、どんな銃でも手に持ち、当てたいと思うだけで銃口がそちらへ向く。それどころかハイスピードカメラで見れば弾道が曲がっており、まさに弾から当たりに行っている。

身体能力としてはパワーこそあまりないがスピードと器用さには秀でており、大抵のものは見ただけで作れる。こればっかりはチートではない才能だと言い張っている。

五大属性、彼の世界で言う五つの属性『水蒸気』『ドライアイス』『プラズマ』『砂糖』『愛』を使いこなす。それらの応用でこちらの属性も一通り学習し始めている。

その他、大半の技能は存在を知るだけで習得してゆき、その学習速度はまさにチート、何もしてないのにスキルのレベルだけがどんどん上がってゆく。それも重なって完全な記憶力を有する。

精神的な未熟さがあり、安い挑発でも簡単に買う。心理戦は不得意。


・装備


『ローンパインコアラ』

銀色の胸当てでよくわからない文字が刻まれている。

本人曰くかなりのレアアイテムらしい。

魔術、呪術に対して無敵ともいえる防御力を与える。さらにどういうわけだか機械類のセンサーをも狂わせ、生物の感覚以外では認知できないステルス性能まである。

『ヒールズビル』

赤一色のハンドガン、規定では銃器の使用は禁止だが、本人の持ち込みであり、また弾丸が本人の魔力ということで杖として登録し、使用を認めている。

グリップより弾倉に魔力を貯めて、引き金を引くことでその属性の弾丸を発射する。

弾の威力は貯めた量、時間に比例するが、本人のバトルスタイルとしては早撃ちの連射を好み、射程20mで人の肉を抉る程度の弾丸をばらまく。それら全てが必中のホーミングであり、もはや全体攻撃。

最大貯めは十秒、それがプラズマならば人間が一瞬で蒸発するほどの威力となる。


・口癖


やれやれ、僕は平和に暮らしたいだけなんだけどな

そんな気持ち悪い顔でよく出歩けるな~

いい加減にしろ! 僕は選ばれた勇者なんだぞ!


産まれてくるべきではなかった。

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