前のエピソード――異世界蠅獲草

・体格

0.3cm 　0．01kg

真っ黒で足も短い普通のカ。メス。

・経歴

変異したものか、固有の種なのか不明。ただ同様の能力を持つ個体が他に3匹確認されているため、後者の可能性が高い。

始まりは謎の出血死が多発したことから。その調査の結果、原因として特定されたのがこのカだった。

メスしか見つかっておらず、環境を色々整えたが産卵は未だに確認されていない。

・性格

産卵前のメスのカと同じ行動をする。すなわち夜行性で、哺乳類に吸血する。

・能力

ステルス能力、モスキート音もなしでの飛行に、小さな体による視認の難しさ、さらに魔術的な検査にも隠蔽能力が確認されている。

血液凝固阻害毒、カは吸血する時に相手に痛みで悟られないよう、また血が固まらないように毒を注入するが、このカの毒は強力で、一度刺されると全身の凝固機能が完全になくなり、加えて血行まで良くなる。そのために刺された傷だけでなく、鼻血や歯ぐきからの出血、さらには目に見え無いような些細な傷口からも傷口が開き、吹き出るように出血し、止まらなくなる。

現在、解毒薬は開発されておらず、毒が抜けきるまで対処療法として無尽蔵の輸血で耐え忍ぶしか方法がなく、それも体重の十数倍の血液が必要になる。

それ以外はカ、叩けば潰れる。また血液に混ざらない限り毒は無害。

大変危険