その気持ちにうそはつけない
僕はセラファンとして、エーデムリングの力を解放し、エーデムを自由にするために力を尽くす。エーデムの人を助けたいと思う気持ちにうそはない。
でも、彼を……ギルティを一番救いたいと思う。
エーデムリングの氷竜たちが、心も凍る冷たい息で、僕の血を氷にかえても、ムンクたちが大合唱で、僕の血を愚弄しても……。
ギルティ……君を……。
ウーレン皇子・ギルトラント・モア・ウーレンを、苦しみから救いたい。
メルロイとして、その気持ちにうそはつけない。
(エーデムリング物語四章・血の定め より)
これはセリフとして口から出たものではなく、メルロイの心の中の言葉だ。だから、ちょっと趣旨からは外れる。
が、人に守られてばかりで、あまり強そうじゃないメルロイの、芯の強さを感じる大事な言葉で、とても気に入っている部分だ。
メルロイは、人に好かれる・愛される・大事にされるキャラだ。
それは、彼自身の血・エーデム王族の血が、人を癒す効果があるからなのだろう。いわば、生まれながらにして、お得なキャラと言える。
大した力もない彼が生き抜くためには、他人から守られるということが、とても大事であり、彼もずっとそうして生きてきたから、よくよく知っていることでもある。
エーデムリングの氷竜たちが、心も凍る冷たい息で、僕の血を氷にかえても、ムンクたちが大合唱で、僕の血を愚弄しても……。
氷竜やムンクは、エーデム族だけに心を開く生き物だ。いわば、生まれながらにして恵まれているエーデム族の力の源の象徴だ。
それらを敵に回す・見捨てられるというのは、生きるための武器を捨てるようなものだ。
つまり、命をかけても……ということだ。
今でいうなら、ネットでいっぱい友達がいて人気者でアクセス数も多いような人が、誰かを弁護するために人から憎まれるような書き込みをして炎上してもいい、それでこの世界から姿を消してもいい、と思うような覚悟?
メルロイは、自分の信念のために自己犠牲を払える人。
弱虫で死が怖くて、血も見れないような男の子だけれど、実は、本当はギルティよりも心は強かったりする。
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