ソーサリエ〜アガサとアガタと火の精霊
子供の頃に読んだ、ドキドキワクワクな話
【ソーサリエ〜アガサとアガタと火の精霊】を書こうと思ったのは、いくつかの理由がある。
ひとつは、今も流行っていて、その頃も流行っていた「異世界へ行ってしまう」作品をリクエストされたこと。
もうひとつは【ハウルの動く城】を見て、そんな感じの作品が描きたくなったこと。
それと、もうひとつは……。
私の作品は、どこか暗くて影があり、辛いことの中のわずかな希望っぽい作品が多く、明るくはないこと。
で、思いっきり明るく楽しく、子供の頃に、ワクワクドキドキしながら読んだ、そんなお話が描きたくなったのだ。
そこで、ペンネームも「わたなべ りえ」ではなく、あえて、新しく「麻森りん」という名前で発表したのが、この作品だ。
「麻森りん」という名前は、「わたなべ りえ」が、ローマ字でもひらがなでも、どうしても後半に名前を連ねてしまいがちなこと、音が暗いことから、正反対な名前と思い、考えた。
麻は「信じて神様・疑って悪魔」に出て来る主人公「麻衣」とも通じる。森は、有名人には木を芸名に使う人が多いということで、木が5本も立てば成功しそうだ、と思った。
りんは、りえに通じるし、「ん」がつく名前は受けがいいと聞いたからだ。「アンアン」「ノンノ」という雑誌も「ん」が入っている。
ちなみに、サイトを開いていた時、私は「姫」を名乗っていた。
これは、サイトの主という意味合いで、作品の作者とは思っていず、作品にはかならず「わたなべ りえ」という作者名を使った。
子供の頃、読んだ物語は、たとえ舞台が現実の国であっても異世界だった。実際、当時の少女漫画は海外が舞台ならもう異世界で、その国の文化も風景も、リサーチしたものというよりも憧れの世界のままだった。
アメリカもフランスもイギリスもドイツも、当時は全部異世界だった。
だから、あえて現実に縛られず、リサーチせず、異世界の外国をそのままに、自分の想像力を広げて、明るく楽しく書こう! と思った。
主人公のアガサはイギリス人という設定。
でも、イギリスの学校がどんなものかは、私は知らない。
が、子供の頃に読んだ「若草物語」(舞台はアメリカ)「クオレ」(舞台はイタリア)の昔の学校のイメージをそのまま、私の小学校時代の思い出をそのまま、アガサの学校に置き換えた。
教壇があり、先生が鞭を持っていて、体罰もあったりするような、そんな学校だ。
大筋だけは考えて、あとは気の向くまま、明るく楽しく適当に書き進んだ……ら、キャラが多くなって、混乱してきた。
ソーサリエ(ソーサラーから派生した造語でここでは精霊使いのこと)は、精霊を一人つけているので、一人新しいキャラを作ったら、その精霊も作らなければならない。ああ、大変。
マダム・フルールに至っては4人も精霊をつけているから、どうしたらいいんだろ? 状態だ。
まぁ、自分の首を絞めないよう、楽しむことだけを考えて。
主人公も中学生くらいの年齢。で、小学生くらいの子供が読んでも楽しめるよう、ちょっと残酷(?)なシーンはあるけれど、年齢制限しなければならないような表現は極力さけた。
ちょっと子供の頃に戻ったなぁ……。
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