単純明快


どうにか加筆を終えて完結。

5月6日に最終回を公開予定。



まぁ、それ以降に読んだ方がいい文章です。ここから下は。


まだまだ書き直したい部分もあるけれど、処女作としてのたどたどしさも残しておきたいような気がして……。


特に「赤く染む」は一度書き直したことがあるけれど、その原稿がもうないし、あまり評判が良くなかったので、納得しない元々の原稿に書き加えただけにした。

もしも、もう少し文章が上手になれば、ウーレン皇女のパレードの華々しさやジェスカヤの賑やかささを書きたせたかも知れないが……最近の傾向として、あまり、事細かな描写よりもあらすじみたいな方が読まれやすいのかなぁ? などとも思い……。


加筆した箇所は序章の「銀竜の翼にて」一章の「魔に返す」「何故」三章の「炎」だ。

それと、「竜王」を「竜の懐」と変えた。

銀竜を特別な存在にしたくて「竜王」としたけれど、竜王という言葉は1回しか出てこないし、王であるわけでもないので……。


「ウーレンの血」に、かなりの加筆と書き直しをして、序章を補った。

「炎」もそうだけれど、この辺りは、初稿の時は随分と曖昧で「ただ征服欲がある」かのようだったウーレン皇女やギルティの内面に迫るものとなった。

正直、これを書けたのは、エーデムの続編を書いて世界観が私の中で単純明快になってきたおかげ。

その分、読者には想像で補うべき部分が減ってしまったかも知れない。

ウーレン皇女の傀儡と化して動き回るギルティ……それを解放するメルロイ……という落差は埋まり、物足りなくなってしまったかも知れない。

でも、この部分は、私がまだ未熟で書ききれなかった部分であり、『陽が沈む時』に続く「正義はどちらにもある」というテーマからしてもよかったと思う。


が……なんと! 書き加えたおかげで、ギルティがメルロイに誓う言葉が、全くの正反対になってしまった! という。


ギルティは、最初「たとえ滅ぶ運命であったとしても、自分のやりたいことをやる」という内容の誓いを立てた。

その誓いは、『陽が沈む時』では、全くの逆になり、まぁ、時の流れです……という言い訳だったのだが、書き直したおかげで矛盾がなくなった。



不思議なことだけれど、書き加えたおかげで、より単純明快になった……ってことで、まずまず満足。

この作品が、新しい読み手を得て、皆さんに喜んでもらえるよう……祈っております。


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