書き足りなかったこと

 今も十分とは言えないが、処女作は、筆致が至っておらず、書き切れなかった部分をお茶で濁したようなところがある。


 ここからは少しネタバレになってしまうけれど……。




 エーデムリングの力というのは、実に曖昧にしか書かれていない。

 しっかり書きたくて書けなかった部分、でも、エーデムリングの力については、あまり詳しく書かなくてもいいのかな? って気がしている。

 よくわからないから神秘的であり、扱いにくく、また、危険でもあり。



 それよりも書き足したいのは……。


 皇女ジェスカが、何故、エーデムリングの力に固執したのか? ということ。

 本文では、噂でしか書かれていないギルティの行動・その心情だ。

 おそらく、読者もフロルと同じように、何故? と思ったことだろう。


 書いた当初は、皇女はとにかく残酷な人で……で、全部説明できる、と思っていた。が、今回、読み返してみて、と同時に、今まで書いてきたエーデムの世界を鑑みて、彼女の本当の野望というものが、もっと壮大かつ重要なものだった……と感じた。

 そして、あのギルティが、何故、母の言葉に支配され、親友までも手にかけようとしたのか? 母への思慕だけで、傀儡のようになって、残虐非道な行為に及ぶだろうか?


 作者である私が、今頃、自分の作り出したキャラの心情に、なるほど……と思うのも、実におかしい話だけれど……。



 何度か削除しようか? とすら思った、メルロイの人間の島での日々。

 これも、大事なエピソードになりそうなので、書き足すかも知れない。




 ……ここまで書いたら、早速、書こう! って気になってきた。

できるだけ当時の文章を生かしつつ、新たなエピソードを足せるといいが、はたしてどうなることやら?






 

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