エーデムリング物語
処女作
ある日、突然降ってきた処女作。
その原案は、意外と古くて、高校生の頃には主人公たちのイラストを描いていた。降ってきたとはいえ、色々、考察は練っていたらしい。
最近、新作が発表された萩尾望都の「ポーの一族」
私は、この作品が大好きだったので、エドガーとアランのような、ちょっとボーイズラブっぽい雰囲気を醸し出すような、少年二人の話を考えたのだろう。
私の作品の大半は、この「エーデムリング」の世界を書いたものだから、再公開するにあたって、この作品を無視するわけにはいかない。
先に公開した「銀のムテ人」も、このエーデムリングのスピンオフであって、読まなくてもわかるよう書いたつもりではあるけれど、気分的には奇妙だ。
……が、ちょっと公開には苦しい部分が……。
なんせ、処女作。されど、処女作。
文章も酷いし、書き切れていない部分も多いし、設定もいい加減。ただ、突然降りてきただけあって、勢いがあり、もう今の私には書けない作品かも?
この味を殺したくない、でも、もう少し体裁を整えたい、でも、あまりいじらない方がいいのかな? などと悩むのだ。
この作品は、漫画として書こうと思ったことがある。
だから、イメージイラストのようなものが頭の中にたくさんあって、それに沿って話を膨らめた。……が、イメージは時々嘘をつく。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」の中で、デネソールが火だるまになって落ちていくシーンがあるけれど、公開当時、火だるまでどれくらいの距離を走ったんだ? と話題になった。原作では火だるまになって走るシーンも飛び降りるシーンもないのだから、映画だから、見応えあるシーンにするために取り入れたのだと思う。……が、現実的には無理。追加映像ではさらに距離があることがわかり、走って曲がって走って飛び降りたの? になる。
ちょっと話が脱線してしまったけれど、「エーデムリング物語」の中にも、実際には無理じゃない? って場面がありとあらゆるところにあるのだ。
多分、ちゃんと地図を書いたら、ここの馬はF1カーのスピードか? なんてありそうだ。
まぁ、そこはファンタジー。
映画でも堂々とやっていることだから、大目に見て……としてもだ。
英語、日本語、フランス語、なんでもあれ……な言葉の使い方。
キャラクター名の「ギルティ」は、あまりにも英語で直なので、それはどうよ……と言われたこともある。実際、昔、流行った曲名を、響きが気に入って、そのまま採用したのだ。
王、皇女、王子、皇子、候、宰相、摂政……これも、かなり適当な使い方。
女王を使わず皇女としたのは、単に、中山星香の漫画で「皇女」が出てきて、そのイメージが自分でしっくりしたからであって、あとでつじつま合わせに四苦八苦した。仏教用語もあるんですけれど……と指摘されたこともある。他の人の書いた異世界ファンタジーに、中華風の衣装という言葉が出てきて、おや? 実際にある国をイメージさせる言葉は、あまり使わない方がいいのかなぁ? と思ったのは、かなり後になってからだ。
「銀のムテ人」を書く頃には、できるだけ日本語を使い、外来語も極力させるようになっていたが、その当時はまったく考えが及ばなかった。
そこを全部しっかりと統一して……となると、ほぼ書き直さなければならない。やってみようとしたこともあったが、多分、書き直してもまた数年後には書き直さなければならないようなアラが出てきそうなのでやめた。
それに、一部書き直したものを公開したこともあるけれど、置き換えない方がいい、と言われて、留まった。
多分、何かの間違いで出版されるようなことがあったら、その時は、書き直すかも知れないが、再公開の段階では、処女作のままでそのままにしようと思う。
ただ……余計なことになるかも知れないけれど、一部、エピソードを足し、その兼ね合いで少し書き直す部分が出るかと思う。
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