楼愛SIDE

 今日は私、テンションが高いよ~。だって空祐君と一緒に喫茶店だもん。五月の後半からは空祐君、同じクラスの月代さかやき君とばかり遊んでいたから全く喫茶店に二人で来てなかったの。

 空祐君と仲良しの月代君は空祐君と同じ動画配信者だから仲良くなってよかった。空祐君が動画で困ったときは二人で助け合えるしいい友達ができたと思うよ。

 でもそのおかげで空祐君となかなか二人きりになれない・・・雅先輩とは違ってもしもの事がないからまだ安心できるけど、このままずっと空祐君と二人になれなかったらどうしようとか考えてみたりしていたから今日は喫茶店に前もって呼んでおいた。


 そうこうしているうちに空祐君が来た。でも、クラスのイケメンも来た。

「どうして連れてきたの?」

 と、空祐君に聞いてもわからないみたい。どうやら空祐君のあとをついて来たみたい。ストーカーかよ。思わず言いそうになってしまったけどその言葉は胸の内にしまっておこう。

 せっかくテンションが上がっていたのに二人きりになれないからテンション低くなるよ。でも実は私『オユタン』のファンだからうれしいかも。

 空祐君が、どうしたものか尋ねると飼っていたイグアナが逃げてしまったみたい。

 月代君は私たちにイグアナの写真を見せる。初めて見たわけじゃないけど本当に可愛い。

「可愛い」なんて声に出してしまったけど空祐君は引いてないかな?「爬虫類はちゅうるい好きな女の子とか無理」なんて言われたら私生きていけないかもしれない。

 すると、空祐君は小さな声で何か言ったような気がした。私に対することじゃないといいけれど・・・

 話は進み明日捜索をすることになった。もしかしたら空祐君とそこで二人きりになれるかもしれない。しかし現実はそんなに甘くはなかった。

「藤崎先輩も呼んで四人で探そう」

 なんていうから、私は思わず空祐君の案を拒んでしまった。なぜか聞かれたけど理由はごまかしてしまった。

 私は悪いことをした気持ちで胸がいっぱいになった。罪悪感は私情を優先したことと雅先輩の気持ちを知りながら寄せ付けないようにと、先輩のことを遠ざけたこと。その二つです。

「ごめんなさい。」

 小声で言ったこの言葉は空祐君と遠ざけてしまった雅先輩への気持ちだった。


 本当にごめんね。私は悪い子だよね。自分のために人のことを遠ざけて・・・

 いつか私に罰が当たるといいのに。

 私の恋は重いですか?

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