THE REAL ONESHOTA BLUE〇(山〇麻衣『THE REAL FOLK BL〇ES』)

【前回までのあらすじ】

『ぅお前は、おねショタ警察なんだぁ。

 どれほどもがこうが、死ぬまでその運命からはぁ、逃れられないんだよぉ……』(声のイメージ:普通にイケメンキャラも演じていた頃の若本〇夫大先生)

 幽冥牢ゆめろうは何者かにそう、囁かれた気がした。


 その事実には薄々気付いていた。

 時折、愛読している成年コミック誌(一般作品以外でも、好きな作家さんというものは生まれるのだ)で目にする、おねショタがテーマの作品で、

『駄目だ駄目だ駄目駄目駄目無駄こ ん な も の お ね ショ タ な ど で は な い 何でおねショタ作品のはずなのにお姉さんがひたすら苦痛と憎悪の涙で頬を濡らしてるんだ ふ ざ け ん な駄目駄目無駄駄目駄目無駄駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目ーッ!><』

と厳しくチェックする自分を感じていたのだ。

 それは。

・お姉さんと年下坊やという素晴らしいシチュエーションなのに、くそったれ極まる友人らも雪崩れ込んで来てほぼレ〇プ(私の脳内で某漫画のバンド系モヒカンハンサム兄さんが『やべーぞ、レイ〇だ!』と叫ぶ)、ささやかな二人の幸せ大崩壊、お姉さんの笑顔は二度と彼に向けられる事はないEND。

 この流れに尽きる。許しがたい愚行だ。

 物語の冒頭で

『む、これは……』

と思って湧いたドキドキが、そのくそったれな友人キャラのせいで雲散霧消である。その後にこみ上げて来るのはその友人キャラへの殺意にも似た怒り。そして、

『駄目よ、〇〇ちゃん、こんなの……』

と涙するお姉さんが向けているのとは別の、その作品が生まれてしまった事に対するあくなき無駄推測なのだった。

 無駄だと自覚はしている。が、にせおねショタコミックを掴まされてしまった事で生まれたぐぬぬさは推測しなければ止まらないのだ。

 思考するイメージは

『数年ぶりに巨人と再会したエ〇ン・イェーガー』

の如し。


 作者様は何故そんなありきたりな安い闇に逃げてしまったのか。

 幸せな『お姉さんと僕現象』が何故許されなかったのか。

 誰からぶエッチ作品を憎むくそったれ系スタッフが編集部にでもいるのか。

 羊羹にハチミツをかけて食べるが如き甘いらぶエッチを生み出す素敵作者を汚したくて、もしくは作者の中の悪魔(そういう時に限って、その心ない相手は『君の可能性』などとほざくものだ)を見たくて、あったかもしれない素敵ネームに駄目出しをしたのか。

 そういう事なのか。


 そこで、幽冥牢は気付かなくても別にいい事実に、気付いてしまった。

 数多の物語やゲームで取り上げられるテーマに関し、TRPGのゲームマスター様が可愛らしく見えてしまう程の厳格な既存ルール厳守を促す手の者達。

 そのマークや指摘の厳しさから、人は

『〇〇(←ここにテーマが入ります)警察』

と呼ぶ―


(まさか……)

 自分如きが、その名前を冠する手の者達になるはずが。

 レベルとして論外のはずだ。


 しかし、自分はそれを譲る事が出来ない。


(私は、おねショタ警察だったのか……)


 おねショタ作品に初めて触れてから数十年、幽冥牢は遂に、自分の本性に気付いてしまった。

 この事実が後にエブリバディが楽しめる神がかった素敵作品を世に送り出す事になるのか、それとも幽冥牢自身がただのいらない子として世にはばかり続ける事になるのかは、神のみぞ知る。

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