第131話 装備分配
裕太は、新ガチャで出た装備を家臣たちに分配することにした。分配する魔法装備、神具は強力なものばかりで、桁違いな戦力アップをもたらすのは予想できた。
まずは大将軍の3人には、防御力の高い防具を中心に与える。ジュスランには大地の力を持つというガイア防具を、ブライルには風の力を宿すエウロス防具を、クリシュナには炎の力を持つアグニ防具をそれぞれ渡した。
上位将軍たちにはSR以上の装備を、それぞれの好みで選ばす。やはりアズキは赤い装備が気になるようで、当然のように赤いブリジットメイルを選んだ。そして武器も、赤い刀身のカグヅチの剣を選択する。どんだけ赤が好きなんだよと本人に聞いたところ、意外な答えが返ってきた。
「いや、特に赤が好きってこともないぞ」
う・・・ん。ならばどうして赤を選ぶんだ。そう思ったが話が長くなりそうなのでやめた。
ヴァルガザは攻撃力を重視でトールハンマーを選び。アリューゼはブルーメタリックのアプサラスメイルを選択していた。
将軍クラスには残ったSR装備やR装備を分配していく。残りのN装備は武勲の実績のある者に分配した。
軍師のフィルナにも神具を与えたのだが、彼女は最もな疑問をしてきた。
「エイメル。こんなすごい装備・・一体どこで手に入れたんだ」
新ガチャと言ってもさすがに理解しないと思うので、装備召喚と説明する。
「装備召喚・・・うむ・・前から不思議な男だと思っていたけど、そんな神がかりな技を誰に教えてもらったんだ」
「神様にだよ」
そう本当のことを言ったのだけど、さすがにフィルナは笑うだけで、あまり信じてないようだ。
装備の配布は、家臣への褒美として認知されたようで、皆の忠誠度が一気に上昇した。やはりどこの世界も気前の良い上司は人気がある。
装備の充実、兵の増強、大幅に戦力の増強ができた事で、北方の国々へと侵攻する為の準備を始めた。
「次はミフカーラ王国、キリューダ帝国、バズクレン王国へと侵攻する」
俺の言葉に、家臣一同頷き答える。
この三つの国には北方平和協定の国々からすでに援軍が到着していた。その情報をアースレインの諜報部もすでに手にしており、先に攻め落とした三国とは基本的な戦力が違っていることを把握していた。だが、戦力が先の戦いと違うのは敵だけではなかった。アースレインも大幅に戦力が増強されており、三国への侵攻は十分可能に思われた。
アースレインが北方に侵攻を始めて五ヶ月・・アヴァクル要塞都市から、準備の整った侵攻軍が出撃する。最初にアヴァクル要塞都市の門を出たのは大将軍ブライルが率いる軍であった。その総兵力は三十万と、辺境から北方に侵攻した時の倍の兵力である。
ブライルの軍は、ミフカーラ王国に向かって進軍する。ミフカーラ王国の戦力は五十万前後と諜報部から情報が入っていた。しかもその数に、北方各国からの援軍も駐留しており、総兵力は七十万ほどになると予想される。
ブライルに続いて、ジュスランの率いる軍も出撃する。ジュスランの軍は、総兵力四十万とブライルの軍より規模が大きかった。その理由は、単純に侵攻する国の戦力が大きいからであった。キリューダ帝国。百万の軍勢を所有する北方屈指の強国である。
侵攻するもう一つの国、バズクレン王国にはクリシュナの軍が攻略することになる。兵力は三十万とブライルの軍と同規模の軍勢であった。
エイメルは今回は留守番と決まった。王様が毎回前線に出るのは異常だと、フィルナに指摘され、援軍での待機することになったのである。アヴァクル要塞都市に残る兵力は二十万。エイメルと軍師フィルナが指揮をするのだが、指揮官として、アリューゼと竜騎士のグルフィンが残っていた。
三つの軍が三の国へと侵攻すると、それぞれの国がそれを阻止する為に動き始めた。こうして、北方の歴史上、最大規模の戦争が始まろうとしていた。
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