第130話 ガチャと新ガチャ
その日は中庭に、大量のミスリル硬貨とオリハルコン硬貨を運ばせていた。もちろんガチャをやる為である。広い場所で召喚するのは、今日は大量の装備品が召喚される予定なので、なるべく広い場所を選んだのである。
目と閉じて、ステータス画面を開くと、新項目の装備ガチャが増えていた。迷わずそれを選択する。するといつものように巨大な門が出現した。モンスターの召喚と違いがないな・・そんなことを考えたが、ガチャを引くレバーの数が増えていた。レバーの下には百と書いてることから、もしかしたら百連ガチャのレバーなのか・・・
確かに装備ガチャはミスリル硬貨100枚と安価なので、大量に回すことができる。十連ガチャで回していては追いつかないので、百連が実装されたのだろう。
さて、俺は早速百連レバーを引いた。ラッキーマンの特技を持っているので、この装備ガチャも期待を持っていいはずだ。
門から無数の光の塊が飛び出してくる。ほとんどが白いオーラの光だが、青い光、赤い光、そして金色の光と、虹色の光が見える。
アタリはどうやら虹色の光の物らしい、レアリティーLRの表記がある。名はエクソダスメルダー、両手剣のようだ。
金色のオーラはURの表記である。こちらも十分にあたりといえそうであった。名はガイアブレイド、こちらも両手剣であった。
他にはSRの鎧である、ルーンアーマーやギガントアックスが当たりと言えるかな。
なかなか幸先の良い結果に気を良くして、どんどんガチャを回すことにした。今回用意したミスリル硬貨は十万枚・・百連ガチャが10回も引けるのだ。
これだけのガチャを回すのは意外に重労働であった。次々と召喚された装備が山積みとなっていく。で、最終的な結果だけど、LR装備が12個、UR装備が50個、SR装備が215個と、強力な装備が大量に手に入った。
よし、装備ガチャ終了と・・さて、次はいよいよ本命のモンスターの十連ガチャである。アルティのような強力な味方が召喚されることを祈って俺は十連ガチャのレバーを引いた。
門の中から派手なエフェクトとともに、十の光の塊が飛び出してくる。一つは派手な虹色のオーラ、そして地味な虹色オーラが二つ、金色のオーラが三つ・・残りは赤いオーラであった。
派手な虹色の大きなオーラは、レアリティLR+EX、エンシェント・マゴイットライディーン。それは巨大な黄金のドラゴンであった。大きさはアルティに匹敵する。
二つの地味な虹色のオーラはレアリティUR+EX、大天使ラファエルとジェネラル・アウムド。金色のオーラはUR+、ギガザウルス、鉄魔神、ハイドロスキュラの三体である。
赤いオーラは全て、SRの群れユニットであった。フェザーデーモン百体、デスナイト三百体、オーバルドック五千体と数がすごい。
「うちを召喚したんはあんたか」
黄金のドラゴンが、体からは想像ができない言葉で話しかけてきた。
「そうだマゴイットライディーン。俺がお前のマスターのエイメル・アースレインだ」
「ここは狭いからあんたと同じサイズになるわ」
そう言ってマゴイットライディーンは人の姿へと変身した。その姿はショートカットで色黒の元気の良さそうな若い娘であった。
「マゴイットライディーン。君も人間の姿になれるんだね」
「マゴイットライディーンは長いやろ、マゴイットでええよ。それより私もってことは他にも人間になれる奴がおるんか」
「前に召喚して仲間になったアルティランサーって龍が変身するよ」
「おっ、なんや、アルティはこの世界におったんか。またあいつと一緒ってなんの腐れ縁や」
「アルティを知ってるんだ」
「まあな、あいつとは別の世界で次元王ていう厄介な奴と遣り合った時に、仲間として一緒に戦ったことがあるんや」
「そうなんだ。アルティもここにいるから後で合わせるね。それより、マゴイットはどうしてそんな喋り方なんだ?」
「なんや変か?」
「いや・・ちょっと知っている方言に似ていたから」
「まあ、ようわからんのや、生まれた時からこんな感じやからな」
「そうなんだ」
そんな感じで俺とマゴイットが会話をしていると、召喚したモンスターが少し控えめな感じで声をかけてくる。
「お話の途中で失礼します。マスター様。私はこの度、召喚していただいた大天使ラファエルでございます。今後とも宜しくお願いします」
「丁寧に挨拶してくれてありがとう、ラファエル」
ラファエルは深々と俺にお辞儀をする。そのやり取りを見ていた、でっかい真紅の鎧武者のモンスターも挨拶してくる。
「拙者、アウムドと申す。我が主に永遠の忠誠を誓います」
「宜しく、アウムド」
他のモンスターは挨拶してこない。ただじっと俺の指示を待っているみたいだ。この差は何だろう・・そう考えて思いつく。
レアリティにEXが付いているモンスターは普通に会話できることに気がつく。EXってなんだろうって思ってたけど、知能が高いとかそんな意味なのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます