第87話 スランキバニアの戦い

レイディモン軍は、四つの軍団と、二つの魔物の軍勢によって構成されていた。概要は、シュレ軍団、15万。ベダルテ軍団、18万。オルリアル軍団、20万。ダークネス軍団、16万。レアリティSR+EX、カオス・ダグラスという飛竜が率いる魔兵団、二万。それとレアリティUR+EX、ティタン・ジェネラルの率いる魔兵団、五万である。


一方、南方連合は、ルブラン、リネガー、クフナシュの三国の連合軍で、概要は、ルブラン軍、25万。リネガー軍、20万。クフナシュ軍、30万。それと、それぞれの国の軍に、魔物の軍勢も引き連れていた。主要なモンスターは、ルブラン軍には、レアリティSR+、シュレイダースネーク。リネガー軍には、レアリティSR、クワーブルジャイアント。クフナシュ軍にはUR+、オメガ・ヒドラが控えていた。


侵略してきた二つの軍勢に比べると、やはりスランキバニアの戦力は見劣りする。だが、地の利があるのが唯一の強みであった。守りを固める要塞には、モンスターの軍勢にも耐えうるようにと、大量のバリスタが設置されていた。このバリスタは、ジャイアントやサイクロプスなどの大型モンスターを倒す為に作られていて、その威力は凄まじいものであった。



南方連合の指揮を執っているのは、クフナシュのインフ女王であった。彼女は、予想外のレイディモンとの遭遇に焦りを見せていた。

「どうしてレイディモンが・・・」

戦力的には互角くらいのように見えるが、戦闘経験では大きな開きがある。大きな戦いの経験のないインフ女王は、強大な敵に対して、恐怖を感じていた。


レイディモンの四人の軍団長は、それぞれタイプは違うが、皆、優秀な司令官であった。不意の戦力である南方連合に対しても焦ることなく対応に動く。


「オルリアルはカオス・ダグラスの軍勢を連れて、スランキバニアの攻撃を頼む。残りは南方連合を殲滅する。それでいいか」

四人の軍団長の中でも、年長で一番格上であるシュレがそう指示を出す。特に不満もないので、他の軍団長はそれに従った。



レイディモンと南方連合が衝突したのは、平地の少ないスランキバニアで最大の平原、ヘントスパル平原であった。両軍とも策を弄することもなく、力と力でぶつかる。


レイディモンの三つの軍団と南方連合の三国は、がっちりと組み合い、敵を殲滅する為に、死に物狂いで戦い始めた。


シュレ軍団と、死闘を繰り広げるはルブラン軍であった。司令官はジュラーキル将軍という若い将で、経験は少ないが、その武芸と、指揮センスを買われて将軍まで上り詰めた男であった。


ルブラン軍は、配下の10の師団を、それぞれ広く布陣させて、大きな陣形を形成させていた。一方、シュレ軍団は、軍を密集させて、それに対応する。


ジュラーキルは、広く広がった陣形を利用して、敵軍を包囲して殲滅するつもりであった。だが、包囲が完成する前に、正面からぶつかった二個師団が窮地に陥っていた。


シュレ軍団の先鋒は魔物の部隊であった。ティタン・ジェネラルの軍勢から、5000の魔物が参戦しており、驚異的な攻撃力を見せていた。


ジュラーキルは、すぐに後方に下げていた、魔物の軍を前に出した。だが、その時にはすでに、前衛の二個師団は壊滅していた。


ルブラン軍の魔物の軍勢は20,000、その構成は、N、N+がほとんどで、ゴブリンやオークが多く見られる。中にはRのジャイアントやR+のサイクロプスもちらほらいるが、やはり数は少なかった。


魔物の軍勢同士のぶつかり合いは、数の多いルブラン軍が押していた。だが、それも最初だけで、レアリティ、UCとUC+が主体のレイディモン軍に、徐々に押され始める。レアリティ、Nのゴブリンの群れでは、UC+のオーガ部隊には歯が立たない。


かなり劣勢に立たされていたルブラン軍であったが、それを打開したのが、ルブランの強ユニットである、レアリティ、SR+のシュレイダースネークであった。体長百メートルの巨大な蛇が、レイディモンの魔物を次々と飲み込んでいく。


「ふっ、シュレイダースネークは大食漢だぞ。いくら飲み込んでも満腹になんぞなりはしない」

ジュラーキルは、シュレイダースネークの食いっぷりを見てそう呟く。確かにその食欲は凄まじく、巨体のジャイアントや、トロールなども簡単に丸呑みにしていった。


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