第8話光の通り道

スパッスパッ


いくら切っても切っても数が減らない影人相手にただただ体力を消耗させていく。



「こんな所でっ!」


スパッ


「死んで!!」




スパッ



「たまるかあぁぁぁぁ!」


スパッスパッ



僕とアヤカは目の前の敵に少しづつ前進しながら対処していた。

そんなこともあり僕等は早くも個別で囲まれ離れ離れになる。



「うしろっ!見えてる!」


スパッ


くそ…数が多すぎる上にアヤカを見失った!

ちらちらと横目にアヤカを探していたらその隙を突かれる



「ぐわあぁぁ」


バタッ



影人の振り回した腕が当たり僕は少し飛ばされてしまう。

今の…パッションが無ければ死んでいた…


倒れこむ僕に影人達が飛びかかってくる



「こうなればっ!!」



シュウゥゥ


腕の剣を戻し僕は膝を顔に付ける勢いで足を折りたたみ勢いよくその足を上に伸ばす。

それと同時に手で地面を押した。


「ウェポンギア!展開!!」


そのまま空中に蹴りをする形で宙に舞う。



ドカッ!


自分に飛びかかってきた影人を空中で蹴ると僕は体制を整えそのまま剣を振り下ろして着地する


スパッ


「だああぁぁぁぁ!」


そしてその場で一回転をして周りの影人を斬り殺す。


空中に舞った時にアヤカの居場所を見ていた僕はそのままアヤカの居る方向へ向かう。


空から見たアヤカは、地に両手を付けそのまま回転して伸ばした足で影人を蹴り殺していた。



「アヤカっ!」


「クロト!?アンタどこにっ!?」


「今向かってる!」



スパッスパッスパッ


敵を斬り進むとアヤカの姿が見えた。

アヤカはさっきの回転をやめ前方の敵に集中していた。

だから後ろの敵に気付かなかったのだろう



「うおぉぉぉぉぉぉ」


スパッ


アヤカの後ろを狙っていた影人を僕は切る


「後ろにも気ィ使えっ!」


そう叫んだ瞬間、背後から{ドコッ}と音がしてそこにはアヤカの足があった。


「クロトこそ!」


どうやらアヤカの方に気が向いていて自分の背後に気付かなかったらしい。


そして僕等は再度背中を合わせる



「減る所か増えてない?」


「やっぱり?」


「これどーしようもないわよ!」


「なら一点突破だ!」


「偶然ね。私もそれ考えてたわ」


「「じゃあ僕(私)に合わせて!」」


「「はっ?」」


「なんで被るんだよ!」


「うっさいわね!私に合わせなさいよ!」



お互い目の前の敵に対処しながら声を荒げていた。

その時だった――



「ウェポンブラスト!!!」


そう男の声が聞こえたと同時に沢山の影人達が光に包まれる。

これ…ビーム??

そう思い光の先を見ると左足を前に突き出した男がいた。


「あれ…ウェポンギアだ」


「えっ!?クロトの仲間?!」


「アヤカの仲間じゃないのかよ!?」


「知らないわよ!」



突如現れた男の左足には筒みたいな物が付いておりその筒から先程のビームを出したみたいだ。


その威力は見て分かるように強力だ。

あんなにいた影人達が一気に消滅し綺麗に道が出来ていた。


ん?道??



「アヤカ行くぞ!」


「えっ!?」



僕はすぐさまアヤカの手を引っ張り出来た道を通り影人達の群れから脱出した――


――あの男…助けてくれたのか…??

そんな疑問を残しながら――

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