第7話川辺での戦い
「うさぎちゃんありがとねー」
放課後、僕は例の如く同級生の手伝いをしていた。
自分とは関係ない部活のお手伝いだったり先生達の手伝いだったり…ほんと良くやるなぁって自分でも驚く。
さてもう17時になろうとしている。
帰らないと。
そうして学校を出ると校門に凄い人だかりが出来ていた。
「お、おい!あれが
「プラ高のマドンナだろ?」
「あのギャルって感じが良いよなぁ!」
「分かる分かる!ヤリマンな感じが逆にエロい!」
こんな会話があちらこちらから聞こえていた。
プラ高と言えば
その白金高校のマドンナ??正直興味あるな…
そう思い僕は人混みの中を進んでいった。
すると
「あっ!やっと見つけた!」
その声の方を見ると先程スターギアを持っていた女性がいた。
まさか――
そう思ったと同時に僕は走り出す。
「あ、ちょっと待ってよ!」
白金高校のマドンナ…池華彩花が僕を追ってくるのだった。
「今のうさぎちゃん?」
「えっ?マドンナと知り合いかよ?」
まさか直接学校に乗り込んでくるとは…
僕はひたすらに走り続けた。
{チラッ}と後ろを見ると1mも距離がない所に敵がいる。
どうする?このままじゃ追いつかれるぞ…
走りながら思考を巡らせる。
このまま真っ直ぐ行けば信号に当たる…赤かも知れないそんな運ゲーにぶつかるわけにはいかない。
周りを見渡すと学校帰りだったり買い物帰りだったりの人達がチラホラ居る。
スターギアを発動させてパッションを使えば…とも思ったが人に見られる危険がある。
ちっ…!どうすれば…もう信号まで5mも無いぞ…
違う道を選んだ所で違う信号に当たる…なんでこう信号が多いんだよこの国はっ!
そんな時ふと横を見るとビルとビルの間の裏道がある事に気付いた。
ここしかない!そう思い裏道に飛び入る。
「ウェポンギア!展開!!」
そしてスターギアを発動させパッションを身に纏う。
そうする事で身体能力がぐーんと上がるのだ。
そのまま軽くなった体でビルとビルを交互に蹴り上に上がっていく。
すちゃ
まるで2次元のヒーローばりに超移動をしてビルの屋上に降り立つのだった。
勿論敵である池華彩花も真似して追ってきている。
屋上には運良く誰も居なかったので、そのままある方向を見渡す。
その視線の先には川がある。
瞬時に最短距離を脳に描く。
「そこだっ!」
そうして僕はビルからビルへ飛び移ったりマンションに飛び移ったりを繰り返し目標の川へ移動する。
「ここなら人は居ない」
ゴロゴロと石が転がってる川辺で敵を迎え撃つ。
「どこまで逃げるのかと思えば…」
そして池華彩花も到着する。
「流石に人目にはつきたくなかったからね」
そう言い僕は右腕の剣を構える。
「そうね…スターギアは返してもらうよ」
しゅぱっ
例の如く瞬時に消える池華彩花。
僕は耳を澄ます…
サッ
「そこだああぁぁぁ!」
音のした方を剣で斬りつける。
「くっ!」
それを見た池華彩花は瞬時に方向を転換しそれを避ける。
「やるっ!」
だが、思わぬ行動を取った事により池華彩花は少しよろめいた。
僕はその隙を逃さない。
中に入り込みさえすればっ!!
僕は蹴りを繰り出す――それを腕でガードされる――蹴りの反動で池華彩花が少し後ろに下がる――前に出て剣を振り下ろす――蹴りの反動を利用して池華彩花は後ろに大きく移動し剣を躱す
「ちぃぃ!」
「調子に乗るなあぁぁぁ!!」
池華彩花はそう叫び高く宙に舞う。
「舞った!?」
「ウェポンミサイルいけええぇぇぇ!!!」
池華彩花の右足のランチャーパックが開きそこから小型のミサイルが6発発射される。
「そんなものッッ!!!」
僕は地面を剣で切り払い砂利や石を宙に舞わせた。
そうする事でミサイルの視界を奪ったのだ。
「うおぉぉぉぉぉぉ」
目標を見失ったミサイルはこちらには来ずに宙に浮いているだけだった。
その隙を突いて池華彩花が着地した地点に突撃する。
「だとしてもっ!」
足元は石だらけで着地が上手くいかなったのを利用して転けそうになった体制を使い池華彩花はその場で一回転をしてみせる
そして僕の放った剣撃を避けるのだ。
「上手いっ!」
思わずそう叫んでしまったのも束の間、視界が晴れたミサイルがこちらに向かってきていた。
ほんのすぐそこに池華彩花が居るが、構ってられない。
突撃をかました勢いで僕は前進する。
すると案の定ミサイルはついてくる。
その瞬間、反転し僕はミサイルに突っ込む。
ドカアァン、ドカアァン!
ミサイルを切った事によりミサイルが爆発する。
そして辺りに砂埃が舞い視界を奪うのだった。
「見えた!」
ドカァ!
その砂埃の中、池華彩花が僕に蹴りを繰り出す。
僕はそれを腕でガードする。
「見えていたの?」
「砂埃に乗じてやってくると思ったから!」
「昼間で学習したってわけね」
「まあ、そう言う事!」
そしてゆっくりとお互いに距離を置く。
風が吹き周りの砂埃が消え視界が良好になる。
「はぁ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…」
お互いに息を切らしていた。
そんな時だった。
「ちっ!厄介なのが出たわね」
池華彩花の声に{ハッ}として周りを見渡すと僕と池華彩花は沢山の影人に囲まれていた。
「厄介??影人は君の仲間だろ?」
「はっ?アンタの仲間でしょ?」
「「えっ?」」
「話は後!来るわよ!」
「そうだね!」
僕と池華彩花はお互いに背を合わせ沢山いる影人に向かい合うのだった。
「ざっと50は居るわね」
「それ以上じゃない?」
「とりあえずやるわよ!」
「アヤカ背中は任せた!」
「はっ?何気安く人の名前呼んでんの?!アンタ名前は!?」
「
「クロトね!じゃあ私の背中任せたわよ!」
こうして僕とアヤカは共同戦線をはるのだった。
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