第5話刺客は可愛い女の子!?
2034年6月12日。
あれからもう1週間が過ぎようとしていた。
その間にも
それを踏まえて分かった事がある。
影人に触れられれば消滅する。
だが、影人は機敏な動きが苦手のようだ。
例えば真っ直ぐ動くのは、とても早いが急に僕がその軌道から外れると目標を見失ったロボットの様に動きがぎこちなくなる。
次にスターギアだ。
スターギアを展開中、体がやけに軽くなったのが気になりシフォンに聞いてみた。
スターギアは僕の想いの力―パッション―と呼ばれるエネルギーを核に起動しているらしく
そのパッションを最大限に引き出す事で身体能力の上昇も出来るらしい。
まあ、ようするにスターギアを発動すれば2次元の戦士のように人を超えた戦士になれるって事だ。
そして影人の目的なんだが、これは2つあり。
一つは僕の抹殺=スターギア回収。
そして二つ目は人の魂の回収。
影人は所謂雑兵の様なもので、その二つの目的の為に動いている。
因みに先程触れられれば消滅すると言ったが、パッションを身体に纏ってる僕はパッションが切れない限り触れられても大丈夫なようだ。
でもそんな事よりも気になる事が僕にはあった。
それはゆらのんの様にシフォンがバニーガールの格好をしていない事じゃなく
シフォンが単独行動をしている事だ。
いや、別に良いんだ。
四六時中一緒に居ないといけないルールなんてないのだけど、ここ数日は姿を見てないし
会ったとしても影人を倒したらすぐにどっかに行くし…
シフォンも同じ様に命を狙われてる筈なのに…なんて言うか僕に何かを隠してる様な……いや、それは考え過ぎか。
シフォンもシフォンなりにミッションがあるのだとは言っていた。
そのミッションはきっと僕には言えない事なんだろうな。
「ねぇうさぎちゃん!どーしたの?ぼーとして」
僕は今日も今日とて同級生の手伝いだ。
委員会の仕事で、プリントや資料等が必要らしくて副委員長のクラスメイトにコキ使われている。
何故か委員会メンバーでないのに先輩の委員長とか書記さんとかも仲良くなっちゃって…委員会に誘われた事もある。
それは流石に断ったけど…(家の関係で部活が出来ないのだ)
そして
「失礼しました〜」
と、委員会室を出るのだった。
その時だった。
「黒兎君聞こえる!?」
4日程前にシフォンから貰った白い羽から声が聞こえる。
これは天使の羽らしくこうしてトランシーバーになったりする。
他にも影人の気配をキャッチしたり出来る。
「シフォン!どうしたの?影人が出たの?」
「そーなの!今すぐ来て!」
と、言われても今は学校の昼休み…あと20分ぐらいしか時間がない。
でも行かなきゃ!
僕は指定された場所に向かった。
そこは人気のない駐車場で、特別人がいるような場所でもなく…
だが、例の如く昼間だと言うのに辺りは薄暗い。
その中に複数の紅色が蠢く。
間違いなく影人だ…数は7。
「ちょっと多いな…」
僕はポケットからスターギアを取り出し右手で握る。
「ウェポンギア!展開!!」
右腕に剣が具現する。
「だあああああああ」
スパッッスパッッスパッッ
瞬時に3体を切り裂く。
囲まれるように4体が突っ込んで来た。
「それ…ならっ!」
僕はその場で一回転する。
すると僕を囲んでいた影人は一瞬のうちに消滅した。
「ふぅ〜」
と、警戒を解こうとした時だった。
「へーやるじゃん!」
後ろから声が聞こえた。
振り向くとそこには、肩ぐらいに伸びた髪を茶色に染めたちょっと不良っぽい女の子が立っていた。
しかも制服を着ていた…あれは白金高校の制服だ!
「もしかして見てた…?」
「バッチリ見てたよー」
そうしてその女性は、ひし形の黄色の石を僕に見せつけ
「ウェポンギア〜展開!!」
と、叫んだのだ。
「あれはスターギア!?」
その女性の右足が光で包まれ箱みたいなブロックが具現化した。
「なんだあれは…?」
そう思った瞬間
シュッ
女性が目の前から消えた。
どこだ?と考えるのと同時に耳を澄ます。
タタッ
「そこか!」
音のする方を向いたら女性の右足が顔面に迫っていた。
僕はすぐさま左腕で、それをガードする。
「やるねぇー」
シュッ
そうして女性は後ろに下がり距離を取る。
「君のスターギア返してもらうよ」
そう言って続け様に
「ウェポンミサイル行けえぇぇぇ!!」
女性の右足に具現した箱が{パカっ}と開きそこから小型のミサイルが6発発射された。
「あれはランチャーポットか!」
そう理解し発射されたミサイルを避ける……だが、それは追尾式のようで
「あはっ!無駄だよー!その子達からは逃げられないよ!」
逃げた先々にミサイルが追ってくる。
「ならば!」
僕は後ろを向きミサイルに突っ込む。
「だああぁぁぁぁぁぁぁ」
スパンッ
後ろから追ってくるミサイルを右腕の剣で全て切り裂いた。
ドカアアァン
激しい爆発音が鳴り響く。
「くっ!」
僕はその爆風で飛ばされる。
パッションのおかげか身体に傷は付いていない。
「はい、チェックメイト」
そう聞こえたと思ったら倒れ込んだ僕の目の前に女性が立っていた。
「大人しくスターギアを渡せば手荒な事はしないわ」
そう言うも僕には、その言葉が頭に入ってこなかった。
「ちょっと聞いてるの!?」
この女性は、ギャルって感じの子で、きっとオシャレ?と言うかプライド?みたいなものでスカートを少し上げているんだろう。
だからこの位置の僕には、その中身が丸見えだった。
「あの…」
「なに?私怠いのは嫌なんだけど…」
「パンツ…見えてますよ…」
「へっ!?きゃっ!?」
見た目からは想像出来ない反応をして僕から離れる。
僕はそれを確認してすぐさま立ち上がる。
「白…似合いますね」
こんな状況だと言うのに僕の心臓は鼓動を早めていた。
僕も男なんだな…
「うっさいわね!!!」
照れながらそう叫ぶ女性にさっきまでの冷徹さは感じなかった。
「なんだなんだ?」
「でっかい音がしたわよねー?」
先程のミサイルが爆発した音に釣られ一般人が群がってきた。
「今日はここまでね」
{シュウウン}と女性の右足に具現していたランチャーポットが消滅した。
僕もそれに合わせ右腕の剣を石に戻す。
「ここから早く立ち去らないと面倒な事になるわよ」
そう言い残しその女性は走って行った。
僕も人と鉢合わないようにその場を離れるのだった。
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