第2話出会い
僕の名前は
「うさぎちゃーん、これお願いしていい?」
うさぎちゃんと言うのは名前の黒兎から付けられたあだ名だ。
僕は同級生の女の子にプリントを職員室に持って行って欲しいと頼まれる。
こんなの僕の仕事じゃないのに…
「失礼しましたー」
でも僕は職員室にプリントを持って行くのだ。
「あ、うさぎちゃーん!」
廊下で同級生に会う。
「うさぎちゃん今ちょっと良い?」
「どーしたの?」
「部活の先輩に倉庫整理頼まれたから手伝ってほしいの」
なんで僕が……
「ふぅ…これで良い?」
「うん!ありがとー」
…と、まあ僕は何かとパシられる事が多い。
性格上断る事が出来ないのだ。
「まあ、分かるけどよーお前それじゃ身体持たねーだろ?」
高校に入って仲良くなった
「だって困ってる人を無視できないからさ…」
僕は、うさぎちゃんなんて呼ばれてるけどれっきとした男だ。
でもひ弱って言うかこんな性格だから女の子っぽいと言われる事もある。
男としては屈辱なんだろうけど、僕自身も納得しちゃってるから救いようがない…。
「てか、黒兎はさぁー剣道しないの?あの姿見たらお前の事女みたいだって言う奴いねーだろ」
僕の実家は雀蜂流と言う剣術を引き継いでいる。
雀蜂家の長男として僕は、めっちり雀蜂流を仕込まれてるんだけど
「僕のは真剣を扱う流派だから剣道は駄目なんだよ」
そう、真剣の道を歩む雀蜂流には剣道とか剣を遊びに使うのを良しとされていないのだ。
まあ、僕自身剣道が遊びだとは思わないけど、幕末を生き抜いたひいひいじいちゃん?だっけ…分かんないけど、その辺の世代からそんな考えが受け継がれている。
「色々あんだなー」
そんな会話を最後に学校のベルが鳴る。
僕と佐伯君は一緒に教室に戻る。
それから放課後へと時間が流れる。
いつもの放課後なんだけど、今日は少し違ったんだ。
学校の校門を出てすぐに声をかけられた。
「君が雀蜂黒兎君?」
その女性は、僕と同じぐらいの年齢で綺麗な黒髪は腰まで伸びていて可愛らしい顔立ちをしていた。
「そーですけど…?」
「やっと見つけた」
この出会いが僕の止まっていた時間を進ませる事になるのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます