第33話 伝授



カノンはサクラの部屋を隅々まで見渡して

「 おばあちゃんみたい 」

と言った。普段なら客人向けの

美味しいコーヒーグラム〇百円と花柄の

カップで淹れるが止める。


おばあちゃんらしくお茶と渋柿を提供する。

「 さすが…」と更に喜ぶカノン。

「これ可愛い!」寝室にあるアロマライト

『差し上げません、ていうか売ってません』

「 どうしたのこれ、どこで買ったの?」

『 中々お目が高い 』

「 諏訪湖の周辺のガラス工房で買い求めました」

「サクラ、敬語いいよ」

「分かった」機械的にぎこちなく返す。

「 ねぇ買い物行こう、夕飯の」

「本日は焼うどんと設定してある 」

「わたしもなにか作りたい」

と2人仲良く⁈スーパーに行くことに

なる。


いつもの道を歩いているだけなのに

やたらと眩い視線を感じる。

通りすがりる男性陣が

振り返る、振り返る、振り返る

『 なんてHappy Lifeを送って来たのかしら?』

キーッとするサクラ。

「カリフォルニアロール作るね」

「なんですかそれ?」

「きっと美味しいから海苔巻きパーティーしよ」

『 これだからパーティピーポーは嫌だ 』

「 お洒落なガーデンもテラスもございません」

キッパリ。

「和葉と相沢くん呼ぼうよ」

はっとする。

和葉さんにおばあちゃんのお部屋見せられない

し相沢、和葉さんを前にシレッと出来る

図太さもない…

『図太く生まれたかった』

「 また別の機会にに」


「今日は2人で女子トークしようか 」

この人誰かに似てると思ったらこの人マイ

ペースっぷりクララ姉さんにそっくり…

「そうだ、クララ姉さん呼んで相手してて

もらおう 」

案の定、カリフォルニアロールは

サクラがアボカドだの海老だのクリーム

チーズだの生ハムだのを丸めて作ることに…

『 この贅沢民族め』

ピンポーン・チャイムが鳴る鳴り

クララ姉さんとカノン意気投合。

「やっぱりモルディブのヒラフホヒ最高よねー

「シンガポールはラッフルズよねー」

海外ネタでやたら盛り上がる。

今現在行きたいところは、あしかが

フラワーパークであるサクラには意味不明。

「 ところでカノンはお仕事なにしてるの」

「CA 、元ね。もう現役じゃないから」

瞬間サクラはパーっと視界が開ける。


この世で最も尊敬するとお仕事

1 家電設置人

2 引越し屋


に次ぐ憧れの職業💕 高慢ちきだろうと

なんだろうと構わない…

「 スッチーさん 」改め

「キャビンアテンダント、それはもう

勲章です!」カノンは初めてとても嬉しそう

な顔をした。

「師匠…」と仰ぎ、今後の素敵女子の誕生に

一役買ってもらおうと海苔巻き差し出した。

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