第24話 ヒロインのたしなみ


龍王を後にすること○○分、

和葉さんと黙々とひたすら歩いて

気がつくとMM地区だった。


こんな洒落た場所でどうしたものか…

アカナリカとかんちならどんな風に

オシャレ路線に持っていくのか

サクラは考える。


「サクラ… 聞かせて」和葉さん

「な、なにを⁈ 」 サクラ

ベンチに腰掛ける。

「もしも… 」と言い掛けて

「なにか飲もうか? 」このシチュエーション

で飲むなら午後の紅茶 エスプレッソ

ミルクティー。

「誠が本気なら…サクラどうする⁈ 」

「どうもこうもないです 」

オキシジョン相手に、あっやっと出た。

ジタバタするわけない。

和葉さんは手を取り歩き出す。

不意に顔を近づけて木陰がわたしの背に

なる。

「今日、どこか泊まろう。夜景の綺麗な

場所に 」

「えっ⁈」

「サクラを…僕のヒロインを横取り

されたくない」照れた顔。

わたしの頬に手を当てクシュフワの頭と

顔を寄せて「いい? 」と包みこむ。

和葉フェロモンに陥落しそうになる。


『無論、なんの異論もございません 』

が、 しかーーし

ダメダメダメ、ダメすぎる。

だ、だって足には湿布と包帯巻いたまま

フランケンシュタインみたいだし、

踵ツルツルにしてないし、何より

しましまのパンツ履いてる…

ハンカチとチリ紙持っているかだって

妖しい…


ガーン汗 こ、こんなヒロインいる

だろうか?アカナリカはお洒落にピアス

してたし、スーパーボールのヒロイン

だってガサツだけど決めるとこは

決めていた。


な、なんてダメなわたし…こんなことで

チャンスを逃すなんて…

バドミントンで言ったらマッチポイント手に

しながらセット落とすようなもの。

野球ならツーアウト満塁から逆転される

ようなもの、

サッカーなら…ドーハの悲劇。


パクパクするサクラに

「ごめん、急に困らせたね。

誠に取られそうで少し焦った…かな」


『競い合う価値もない女子力ZEROのわたし

です…」


「夜景見て、帰ろうか」

明日のチャンスのために女子力磨いて

戦いに挑むことを決意したサクラであった。




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