第20話エクストラ タイム


サクラは時間に余裕があり、学をつけたい時

電気屋又は携帯ショップにに足を運ぶ。


店員の豊富な博学振りにしこたま関心

して最近の家電事情に精通する。


悠に3時間以上は余裕で過ごせる。

インバータと非インバータの違いを知り

ふんふんと頷き、キーーッとする。

『買う前に知っていれば… 』ハンカチを

握りしめ最大の悔しさを表現しても

和葉さんや相沢や私をよく知る人以外

中々理解してもらえないリアクション。


『プラズマクラスター 』とかよく分からない

言葉も電気屋の店員さんなら大抵親切に

教えてくれる。


家電一式見て回り、テレビの前で

『おおッ ‼︎」と思う。噂には聞いていた

YouTubeが見れるテレビ…

『 これすごいなー欲しいなー‼︎ 』

ビオラ先生やダンス動画が大画面で見れる

んだーと買ってもいないが興奮する。


店員さんの滑らかな勧誘に

仮押さえをするサクラ

「このサイズ白は残り一つです‼︎ 」


この感動を分かち合うのは相沢しかいない‼︎

しかもよく分からない接続系は

「奴になら任せられる…』のに今は気まずい。

厄介だ、なんて厄介ごとだ…と溜息をつく。


素敵男子和葉さんには、部屋の裏で

ウネウネして埃を被っているコードなんて

見せられない…

またハッとする。

『相沢さんには表も裏も全て見せられる

ということ…

むしろ汚い部分こそ見てほしい… 』

なんてゆうこと‼︎ 頭をゆらゆらさせる。


私のアフター5と休日の多くは

綺麗どころは和葉さんに

裏方は相沢で占められていたのか…

今更ながら気が付き愕然とする。


こんな時はパン買って帰ろうと

いつものパン売り場に行く。

「おやっ ⁈ 」首を傾げるサクラ。

いつもひっそりしているフジパンが、

フジパンがメインコーナーに溢れている。


「こ、これは一体?」パン屋の店員捕まえ

なにが起きたか聞くサクラ。

「どうもどこかの大物の気まぐれで

フジパンメインで…ってクレームで…

暫くの間だけね。ほとぼり冷めたら元に

戻すから…ホント一体なんなんで

しょうね いつもと違っていてごめんなさい」


『全然いい、謝らなくていい

むしろこのままがいい、戻さなくていい』

心の声が叫ぶ。


『ちょっと待てよ…どこかの大物って…

相沢⁈』バターパン頬張り相沢が閃く。

『ホント、どこまでもいい人…』


『うん⁈ もしかして私のこと⁈』バターパン

落としそうになる。


相沢には身近にいて欲しいのに…

今のままではままならない…溜息


コーヒー問屋の周辺ウロウロしていると

今の最大の思い人…相沢に会ってしまう。


互いに身動き一つせず固まる。

相沢が踵を返した。

『サクラ、このままでいいの⁈ 』

心の声がそう告げる。


「 相沢さん、」今世紀最大の勇気で

呼び止めた。


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