第19話 悩み事



『最近、坊ちゃんの様子がおかしい… 』

執事の太田原の最大の悩み事である。


ダンスを始めるくらいはまぁよしとしても

社運を賭けてまでダンサーにのめり込む、

やたらと富士パン贔屓にする…

もはや太田原の理解の域を超え社長の

直治に相談するに至る。


直治は磊落な人間だ。

「成長過程にある、放っておけ!」

と言い放ち自分はいそいそ一橋美蘭に

会いにに出向く。親子して

『 大丈夫か?』と心配になる。

「誠もなかなか目の付けどころがいい」

関心してる以上太田原の出る幕ではない。


相沢 誠は

『自分は一体どうしたのだろう?』と悩む。

花園サクラは好きだ。

純粋にLikeの好きだ。

大切な親友和葉から奪ってやろうなどとは

微塵も思わない…なのに…


気が付くと富士パンに電話してる。

サクラが贔屓にしている富士パン。

「最近、富士山シフォン見かけなくて…」

サクラさんが困っていた。

「富士山シフォンはどうした?」

「ご存知ないですか?廃盤です」

「なにぃーーッ、それでは困る。大事な

友人の好物だ 」受話器越しに怒鳴っている。 友人と強調出来てホッとする。


ハーバリウムも嫌になるほど取り寄せた。

「誠、最近気が効くようになったじゃない」

ほぼ姉貴達に撤収されてしまう。


桜が欲しがっていたチャコットの紐付き

ハイシューズも取り寄せそうになって自制

する。


アフタヌーンティーを店ごと買い取って

やりたいとも思う…ゆらゆら頭を振る。

おかしい、完全にイかれてる。

こんな時は音楽を聞こう。能楽を聞く…

『なんて落ち着くんだ』

「緊張した時能楽聞くと落ちつくんですよね」

サクラの台詞…いかんいかん

中国の伝統音楽、二胡を聞こう。

「一度二胡の生演奏聞きに行きたいんです」

またも花園サクラ …恐るべし。


ある日和葉が訪ねて来る。

僕は真っ直ぐ和葉が見れない。

「誠といいサクラといいなんかおかしい…

お前たち一体なにがあった?」

和葉に問い詰められる相沢誠…

「な、なにもあるわけないだろ!」

「そんなの始めから分かっている」

「じゃなんだ?」

「お前の気持ちの問題を聞いてる」

「うん⁈ 」首を捻る誠。


「惚れたなら真っ直ぐ向かってこいよ」

和葉はそう言い残して帰っていった。

『あるわけがない‼︎」』憤怒に近い。


相沢が好きなのはカラのスンヨンとかE-girls

の藤井萩花みたいなセクシー系美女だ。

『わーーッ』とジタバタしてると

父直治に見合いを勧められる。

今まで頑ななまでに断っていたが

「はい…」と返事をした悩める

相沢誠であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る