祝!14200PV突破! 第40話 テーマパーク創造 前編

 ーーー電脳世界・朝ーーー


「さあ、さっそく始めるわよ」


「何から始める?」


 俺が聞くと、


「コースターよ。響、天地創造のコンソールで『岩盤操作』を出して」


「あいよ」


 響は岩盤操作をタップする。


「そしてそれを図面に従って、コースターの土台にするのよ」


「なるほど、プロセシング・マテリアルの消費を最小限に抑えるわけだな」


「そうよ」


 響はコースターの土台を図面通り、正確にイメージする。メーターがマックスになるとコンソールが輝き、響は手を叩きつける。


 コースターの土台が地面からせり上がり、どーん、と現れた。


 そこで俺は聞く。


「木の柱を立てるには岩盤に穴をあける必要があると思うんだが、どうすんだ?」


「海で温度の操作した時と同じよ。指を岩に当てて小さくイメージするの」


 響は岩盤操作のコンソールを出したまま岩盤に指を当てる。穴をあけるイメージをすると岩盤に穴が開く。

 なるほど。


 そこまでやって、


「ルナ、木を差し込むには岩盤の穴の角度とか力の方向性を極める必要があると思うんだが」


「もちろんデータに出してあるわ。それを見ながら穴を付けてね♪」


 これは根気のいる仕事になりそうだ。


 ーーー電脳世界・夕ーーー


 ぜい、ぜい。


 二千本は穴をあけただろうか。俺は肩で息をする。一本一本を正確に穴を開けるのに精神の消耗も半端じゃない。

 ルナの奴、なんて人使いの粗さだ。


「よし、今日はここまでね」


 ルナはぱんぱん、と手を叩く。


「頑張ったお礼に、響にはカーテン越しにシャワーする私の姿を見せてあげる」


「な、なんですと!?」


 なんだそれは。いわゆるこの世の春というやつか?


「さ、戻ろっか」


 ーーー現実世界・シャワー室前ーーー


 ごくん。


サーという音と共にカーテン越しにルナの裸体が」浮かび上がる。


「なるほど。ルナの3サイズは・・・」


 シャワー室からボディソープが飛んできて響に直撃する。


「セクハラ禁止!」


「いやちょっと待て!これはどう見ても逆セクハラだろ!」


「見たくないの?」


「見たいです」


 しかしこの状況はどうも精神衛生上よろしくない。


「もうこれは誘ってるとしか・・・!」


 心に決め、俺はカーテンを払いのけようとするが、


 びくともしない。

 薄いカーテンが鉄の扉の様に動かない。


「ああ、響。言い忘れてたけど、そちらからこちらを開けようとすると時の秘宝の魔法が発動するから気を付けてね。あ、あと電撃も発生するわ」


 バリバリッ!


「あばばばばば!」


 俺の全身に電撃がほとばしる。


 ーーー数十分後ーーー


「くそっ、ずるいぞ!」


「アンタみたいな野獣相手に何の対策もしないはずないでしょ」


「くそっ!返せ!男の純情を返せ!」


「シルエットだけでも見れたんだから感謝しなさいな」


 ルナは唇に指を当て、


「明日からは師匠の修行とテーマパーク作り。頑張ってね。ア・ナ・タ」


 俺は前に突っ伏したまま動けなくなった。 

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