第四章 ルナシャドウ~テーマパーク

祝!11000PV突破! 第36話 ルナシャドウ

 ーーー数日後ーーー


「あっはっはっは」


 マナは豪快に笑っていた。


「笑い事じゃないですよ師匠」


 マナは目尻の涙をぬぐい、


「いやー外から帰ってきたら城とホラーハウスが燃えてるから何事かと思ったよ」


「ルナが悪いんですよ。メスで腹かっ捌こうなんて、ホラーの域を超えてるじゃないっスか」


「だからって最上階ぶち抜くなんてやり過ぎよ。私は抗議するわ!」


 マナはやれやれと、


「響、平常心がまだまだ足りない。敵に背後をとられるなんてもっての外だよ」


 マナはルナに向いて、


「ルナ、客に傷を負わせかねない施設はご法度だよ」


「「ごめんなさい」」


 二人は頭を下げる。


「ま、過ぎたことは仕方ないさね。響」


「はい?」


「今日は対シャドウ戦の訓練だよ」


 俺は聞き返す。


「相手は誰っスか」


「ルナのシャドウだよ」


 ルナはぎょっ、として、


「師匠!いくら何でもそれは無謀です!」


 俺は手を上げて、


「師匠、物足りなさ過ぎて屁が出ますぜ」


 ルナは響を睨みつけて、


「言ったわね。じゃあ負けたほうが勝ったほうの言うことを一つ聞く、ってのはどうかしら」


「いいぜ、余裕よ余裕」


 こうしてルナ(シャドウ)との勝負が始まった。


 両者は森の上空で距離を取る。


「先手必勝!光よ!」


 響の手から光線が放たれる。


 しかしルナシャドウはそれを余裕で躱す。


「やっぱこれじゃ駄目か。じゃあこれでどうだ!」


 響の周りに無数の光球が現れる。


そして光球はルナを追尾する。


ルナは魔法防御を展開する。


どぅん!


光球が魔法防御ごとルナシャドウを吹き飛ばす。


「よし!」


 もくもくと煙が立ち上がる。うかつに近づいては近接戦に持っていかれるので距離を保つ。


煙の中からルナシャドウが現れる。洋服もあちこち破れている。


今度はルナシャドウが光球を生み出した。

しかし光球の量が響に比べ、圧倒的に少ない。


「落ちろ!カトンボ!」


 大量の光球をルナシャドウに向ける。俺は調子に乗っていた。


ルナシャドウは最小限の数の光球で捌く。


そして光球同士をぶつけ煙幕を張る。


「しまった!」


 響は咄嗟にさらなる上空へ逃れる。


しかしそれにルナシャドウが付いてくる。


 ルナシャドウが俺の懐に入ろうとするその瞬間、


ルナシャドウは弾かれる。


「対物理障壁!もうそんなのまで使えるの!?」


 ルナが叫ぶ。


俺は二本の光の剣を作り出し、体勢を崩したルナシャドウを切り裂く。


「勝者、響!」


 マナが高らかに判定を下す。


「いやっほう!」


 響は喝采の声を上げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る