祝!10000PV突破! 第34話 ホラーハウス 前編
「出来たわ!」
ルナが走り寄りながら言ってくる。
「何が?」
「ホラーハウスよ!」
「あれ?それってお前の持ちネタじゃなかったの?」
「コントにしてんじゃないわよ!」
ルナが激しく反論する。
「とっとと来なさい」
ルナが俺の手を引いて歩く。
「それにしてもかなり早く出来たな」
「詳細なアイデアまであらかじめ作っていたからね」
響はなるほど、と感心する。しかしこの方向はーーー
「俺の城の方向じゃね?」
「そうよ」
もしかしてーーー
「着いたわ」
そこにホラーハウスはあった。
響の城よりも一回り高いやつが。
「なんだとおおおおおっ!?」
ルナは胸を張る。
「どう?これでこの世界で一番高い建物の所有者は私ね」
「お前は地上げ屋か!人の建物の価値下げんなよ!」
「まあまあ、とりあえずテストプレイよ」
響はルナに引っ張られ、ホラーハウスの前まで来る。
そこにはエレベーターらしき乗り物がある。
「このホラーハウスはね、一番上から入るのよ」
嫌な予感がする。
ルナ達はエレベーターに乗る。
最上階まで来ると降り、ルナは周りを見渡す。
「絶景ねー」
「ホントは俺だけの台詞のはずだったのに・・・」
「細かいこと気にしてたら大物にはなれないわよー」
「くっ・・・」
ルナは響の手を引き、中央の穴まで移動する。
「このホラーハウスは一風変わってて、最上階から入るのよ」
またまた嫌な予感がする。
「じゃ、響、先に入っててね」
どん、
ルナが響の背中を押す。
俺の体は自由落下を始める。
「ちょっと待てえぇぇぇっ!」
響は一直線に落ち、一階のネットに突っ込む。
「どう?響。スリルあったでしょ?」
最上階からルナが声をかけてくる。
「恐怖の種類が違うわボケェェェッ!」
俺は絶叫する。そう、これは絶叫系だ。
「私は最上階で待ってるから自力で這い上がってきてねー」
ルナが気楽に言う。
「くそ!マジかあの女・・・!」
響はネットから降り、辺りを見回す。
辺り一面、墓場だった。
「あれ?この建物ってこんなに広かったっけ?」
俺は首をかしげる。
するとーーー
「おおお・・・」
うめき声が聞こえ、そこら中に広がっていく。
「マジか」
墓場から次々とアンデッドが現れる。
「だ、大丈夫。所詮、アミューズメント。見かけだけだろう」
墓場から這い出たアンデッドが一匹、響につかみかかり、噛みつく。
「痛でーっ!」
どこからともなくルナの声が聞こえる。
「大丈夫。アミューズメントだから怪我はしないわ。代わりにかなり痛いかもしれないけどね」
「くそ!」
響はアンデッドを振り払い、辺りを見回す。
それほど離れてない場所に天井から垂れているロープを見つける。
「脱出口はあれか!?」
俺はロープをよじ登る。背後から次々とアンデッドがついてくる。
「さて問題です」
どこからともなくルナの声が聞こえる。
「背後からついて来るアンデッドの重さでロープが切れるかもしれません。あなたはどうしますか?」
そういえばそういうおとぎ話があったような・・・
響は少し考え、そさくさと次の階に登り、風の魔法でロープを切る。ついて来ていたアンデッドはまとめて下に落ちる。
「う、・・・正解」
ルナはさも残念そうに言う。
俺は次の階に挑戦する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます