祝!8700PV突破! 第31話 ご褒美

 2日後


 英語の小テストを始める。


 どれもこれも簡単でしょうがない。


 ほとばしる鉛筆は止まらない!


 時間終了。


「結果は明日出るから復習でもやっときな」


 翌日


「答案用紙を返すよ。呼ばれた順に取りに来な。ちなみに今回の満点は3人。江崎に金子、神鳴だね」


 クラスがざわめく。


「また神鳴かよ」

「神鳴君て頭いいの?悪いの?」


 そんなざわめきは気にもせず、マナは一人ずつ用紙を返す。


 そして響の番。


「頑張ったね、響」


「それは大人の階段上りたいっスから」


「それ無しでここまで頑張れたらねぇ」


 マナは苦笑いする。


「で、いつご褒美貰えるんスか?出来るだけ早く!プリーズ!」


「わかったわかった。放課後、開いた部屋でね」


「いやっほう!」


 そして放課後、空き室。


「じゃあ始めるよ。いいね。


「お願いします!」


 10分後


 俺は気持ち良さの真っただ中にいた。


「今回は初めてだからこれだけだけど頑張りしだいでもっと色々教えるからね」


「最後までじゃなかったけれど、有難うございました!」


「期末テストは全教科頑張るんだよ」


 俺はガッツポーズをとる。


「午後は電脳世界だよ」


 ーーー電脳世界ーーー


 今日も平常心の訓練。

 平均台の高さは10メートルにまで達していた。

 そろりそろりと踏み出す足。

 頬を伝う汗。


 その時、俺はバランスを崩し平均台から落ちる。


 咄嗟に6枚羽を展開する。


 そのままゆっくりと地上に着地する。


 マナはつかつかと歩み寄りぽかり、と響の頭をはたく。


「飛行モード使ったら訓練にならないじゃないか」


「すんません、つい」


「しかも何故に六枚羽?」


「小さい頃は悪役を応援してました」


 マナはやれやれとつぶやき、


「まあいいよ。平均台での訓練はこれにて終了」


「次のステップに移るんスか」


「そうだよ。羽を展開されたら訓練にならないからね。それにこれまでの高さでもいけるなら問題なし」


 マナはぱん、手を叩き、


「次はイメージのトレーニングをいってみようか」


 マナは服の袖からカードを数枚取り出す。


「これは?」


「紋章魔法に使う紋章だよ」


 マナは一枚カードを取って俺に見せる。


「これが火。カードの下にも書いといたよ」


 響は他のカードも見る。


 水、風、光、爆発など。


「回復の紋章ってないんスか?」


「あるけど回復はルナがいるからいいんじゃないかい?」


「相手は俺とルナが離れてるときに来るんスよ」


 なるほど、とマナは頷く。


「ルナのやつはしょうがないねぇ。あるよ。とびっきり効くやつが」


「じゃあそれでお願いします」


「焦らない焦らない。平常心だよ。あと物事には順序ってものがあるんだ」


 マナはカードを裏返し、シャッフルする。


「さあどれを引く?」


 響は適当に一枚引く。


「風か。あんたらしいね」


 そして俺のトレーニングが始まる

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