祝!8000PV突破! 第30話 師匠と猛勉強
ーーー電脳世界のマイホームーーー
響は英文を必死に解いていた。
マナはそれを見ながら、
「なんでその集中力を普段から発揮できないかね」
響は鉛筆の手を止めず、
「ガソリンの入っていない車は動かないでしょう?それと同じっス」
マナは半眼になって、
「お前のガソリンはエロいやる気かい」
響はふと手を止めて、
「そう言えばこっちの世界って18禁じゃなかったっけ?」
マナはにやり、と笑い、
「だから現実世界でやればいいのさ」
「さすが師匠!」
響の鉛筆が冴える!
と、俺はそこで鉛筆を止め、
「師匠」
「何だい?」
「頭がよくなる魔法ってあります?」
無言で師匠は響にヘッドロックをかける。
やっぱりルナの師匠だ。
「あんたは記憶力もあるし応用力もある十分賢い部類さ。まあ馬鹿だけどね」
「褒めてるのか馬鹿にしてるかどっちっスか」
「褒めてるのさ。まあハニートラップに簡単に引っ掛かりそうなところは馬鹿だけどね」
俺はぐうの音も出ない。
「さて、勉強のほうはこれでいいかね」
「どうするんスか」
マナは伸びをして、
「平常心の訓練、と言いたいけど」
マナはホウキをくるくると回す。
「今度は趣向を変えようかね」
マナは指をチョキにして響の目に魔法をかける。
「魔法の構成を『見る』力を付与したよ」
そしてマナは掌に炎を出す。
響の目には確かに映っていた。炎の中に燃え上がるような色の印が。
「見えているかい?これが炎の構成さ」
「どうやってその紋章みたいの出すんスか?」
「体内に流れる血の流れを意識して、そしてそれを手のひらから出すイメージを紋章に変えるのさ」
俺は言われたとおりにする。
血の流れを意識し、掌に紋章の形をイメージする。
ボッ
掌に小さな炎が生まれ、すぐ消える。
「おおっ!」
響は歓喜の声を上げる。
マナはホウキをくるくる回しながら、
「お!大きさと持続力はともかく、一発で決めるなんてやるじゃないか」
「この魔法に名前あるんスか?」
「紋章魔術だよ」
「まんまっスね」
さて、と腰を上げマナは、
「今度はそれを維持する訓練だよ」
「さっきと同じようにやるんスか?」
「そうだよ」
俺は手を上げ、
「その前に一ついいスか?」
「なんだい?」
「天地創造の力は使わないんスか?」
「いい質問だね」
マナはホウキをくるくる回すと、
「天地創造の力の源は魔法から来ているんだよ」
「なんと!意外な事実」
「魔法をプログラム化して、簡略化し、思うように具現化するのさ」
俺は思案気に、
「なんでそんな事するんすか?創世開発機構って何なんスか」
「だいたいはゲス徒をこの宇宙から根絶させるため、その一環さ」
「そこまで・・・」
マナはホウキを担ぎ、
「さ、話は終わり。訓練だよ」
俺は血液の流れを意識し、掌に紋章を構成し、出来るだけ弱く力を注ぎこむ。
掌に炎が生まれる。
今度はすぐには消えない。
1分くらいしたら小さくなり、消えた。
「おっ、さっきよりは伸びたね」
マナは拍手し
「じゃあ今日はここまで」
現実世界へ帰る。
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