第3章 魔法習得~ホラーハウス

祝!6400PV突破! 第27話 汚された魂

「ふわぁーあ」


 響は大きくあくびをする。


「おはよう響、体の調子はどう?」


 ルナが声をかけてくる。


「おはようルナ。体の調子はいいよ」


「そう、よかった」


「で、今日はまず何をするんだ?」


 ルナはライフ・マテリアルがぎっしり入った袋を持ち出し、


「汚された魂の浄化をするわ」


「そういえば昨日そんなこと言ってたな。で具体的にどうするんだ?」


「まずはため池を作って」


 響はコンソールを出して、『池』をイメージする。『池』のコンソールが出てきた。それの大きさをイメージしてタップする。


 半径5メートルくらいの浅い池が出来る。

 排水の水路を作り、森のほうに引っ張る。


「これでいいのか?」


「ええ」


 そう言うとルナはライフ・マテリアルを全部沈める。


 そしてそこに魔法の結界を張る。


「これでゲス徒は手出しできないはずよ」


「なあ、ちょっと聞いていいか?」


 俺は手を上げる。


「何?」


「水がマテリアルを浄化するのか?それとも魔法がマテリアルを浄化するのか?」


「両方よ。言うでしょ?命の水って」


 なるほど。


「で、今日はどうする?狩りに出ても大丈夫か?」


「創世開発機構がゲス徒の中継施設を探知出来たみたい。私は出かけるからあなたは建設の見守りをお願い。あとため池の」


「俺も・・・」


 ルナは首を振る。


「確かにあなたの魔法の才能は目を見張るものがあるけど、それでもリミッターを切った私の足元にも及ばないの。しかも相手は遥か昔から存在するもの。お願いだからここでじっとしてて」


「わかったよ・・・」


「ありがとう。ごめんね」


 響はうつむいて、考える。


「なあ。魔法の師匠ってのは作れないか?」


「ええ、作れるけど・・・って、あ!」


「そう!修行するのさ!暴走とかしないように!」


 響とルナはハイタッチする。


「そういうことなら任せて。ゲス徒に侵食されてないライフ・マテリアルも、森で拾ってるからそれを使うわね」


 ルナの前にライフ・マテルが浮かび光り輝く。

 そして『大賢者』のコンソールが現れる。イメージメーターがMAX近くになる。

響はコンソールを叩く!


 光の中から紫色の魔女の格好をしてホウキを持った巨乳の女が現れた。


「違う!俺じゃない、確かにちょっと巨乳要因が現れればいいかなーと混じったかもしれないけど!」


 ルナは容赦なく響にクロスローズ(プロレス技)をかける。


 しばらくしてーーー


「気が済んだかい?ルナ」


「ええ。お久しぶりマナ」


 響は体のあちこちを引きつらせながら聞く。


「知り合い?」


 ルナは胸を張り、


「私の師匠よ」


「なんと!・・・ってじゃあプロレス技のくらい損じゃねぇか」


 マナはふふんと笑う。


「ちょっと占いでもしてやろうかね。・・・ええと、神鳴響、あんた童貞だね」


「中二で童貞ならいくらでも居るだろ・・・ってなんで俺の名前を?」


「私にはいろいろ分るのさ」


 ルナは前に出て、


「師匠、お願いがあるのですが」


「この少年を鍛え上げてほしいんだろ」


「はい。かなりの潜在力を秘めてると思われます」


 マナは響をじろじろ見て、


「こいつは面白い素材だね。いいよ。引き受けた」


 こうして俺の魔法訓練が始まった。

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