祝!6200PV突破! 第26話 療養
あの慌ただしい一日から数日経った。
「で、今回の件はゲス徒の仕業と考えていいんだな」
「これを見て」
ルナが袋からライフ・マテリアルを取り出す。
「おい。今ちらりと袋の中が見えたけど、どんだけ入ってんだ!?」
「黒犬2個×50匹で約100個よ」
「やったな!これで村が作れるな。死にかけた甲斐があった!」
ルナはため息をついて、
「このマテリアルはゲス徒の侵食を受けてるからそのままは使えないわ」
「じゃあどうするんだ?」
ルナは腕を組み、
「一気に全部浄化するならため池を作って、そこで結界を張って浄化するしかないわね」
「じゃあさっそく作るか」
ベットから降りようとすると、
「ダメ、今日一日は絶対安静」
響はしばらくルナの目を見つめていたが、
「わかったよ、たまには何もしないでのんびりしてみるのも良いかもな」
「じゃ私はマテリアを一個一個浄化しておくから」
「任せた」
ルナは部屋を出ていく。
しばらくすると扉がノックされる。
俺はどうぞ、と返事する。
扉を開けて入ってきたのはピンクの長髪のマーだった。
マーはもじもじしている。。
「どうした?」
俺が声をかけると、マーは泣きながら抱きついてくる。
「ごめんなさい!響おにーちゃん!」
ああ、と俺は理解した。
「大丈夫、俺がこうなったのはお前のせいじゃない、一度に18匹も召喚しようとした誰かさんのせいだからな。だから泣くな」
俺はマーの頭を撫でてやる。
「あー、マーだけずるーい」
ハンがかけてくる。俺はハンの頭も撫でてやる。
いい娘たちだ。絶対に守ってやらねば。
「ルナを呼んでくれるか?」
マーとハンに頼む。
「「うん」」
しばらくして、
「何?何か用なの?」
ルナが部屋に入ってくる。
俺はルナを見つめ、
「ゲス徒について知りたい」
単刀直入に聞いた。
今度はルナが俺を見つめ、
「そうね・・・あなたたちの世界、恐竜時代、下手したらもっと前からこの星にやってきた知的存在よ」
「電脳世界じゃなく俺たちの世界の、そんなに前から・・・!」
俺は驚く。
「とにかく文明が知的に育ち過ぎるのを嫌うの。だから理性的より感情的に訴えるやり方を得意とするわ。あいつらにどれだけの文明が滅ぼされたことか・・・」
「俺の場合には直接的だったけど」
「それは私たちの人数がまだ少ないからよ」
ルナは額に手を当て、
「だから油断していたの。まさかこのタイミングで仕掛けてくるなんて・・・響、本当にごめんなさい」
響は考え込むように、
「どうすればそいつらを倒せる?」
「難しいわ。奴らは決して姿を現さない。陰から人を操って、隠れてこそこそ文明を腐敗させていくの」
「打つ手がないという事か?」
ルナはかぶりを振り、
「創世開発機構だって馬鹿じゃないわ。だてに遥か昔から存在してるわけじゃないもの。ただゲス徒とパワーバランスが拮抗してるの。だから決め手に欠けているのよ」
「ゲス徒の本拠地は分かるのか?」
ルナは首を振る。
「たぶんこの宇宙の外」
響は唖然とした。スケールがでかすぎる。
「ゲス徒の話はここまでにしましょう。とりあえず今度からはこの世界に蟻1匹でも侵入する奴がいたらマーキングすることにするわ」
「わかった」
「じゃあ響はもう休みなさいな。明日はライフ・マテリアルの一斉浄化が待ってるわ」
響はおやすみの挨拶をすると、眠りに入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます