祝!5100PV突破! 第22話 念願のマイホーム

「やったー!完成したよ!」

 

 ラーナが駆けてくる。


「完成したって、愛の巣、もとい、マイホームがか?」


「おうよ。まあ見てくんな」


 確かにマイホームが完成していた。3LDKの立派な2階建てである。


「すげー」


「中も見てくんな」


 機能的なダイニング、使いやすさを追求したキッチン、なごみの空間リビング、トイレは順番待ちをしなくていい2つ付き。個室は1階と2階に1つづつ。


「すごい立派ね。これで現実世界で休む必要がなくなったわね」


「学校は毎日通わなければならないけどなー」


 俺はそう突っ込みを入れ、ラーナに、


「次はお前たちの宿舎を作ってくれ」


「お、気が利いてるね、OK!自分たちの寝床を作ろうじゃないか」


「これからどんどん増えるから拡張しやすいように作ってくれ」


 了解、とラーナは頷く。


「とりあえずテスト期間中に集めたライフ・マテリアル12個を使って大工を4人分を作成する。これで建築スピードが上がるはずだ」


「そっちは何作らせるの?」


 ルナが聞いてくる。


「海の家を作らせようと思う」


「海も無いのに?」


「だからこれから作るんだよ」


 俺は天地創造の『海』のコンソールをタップ。


 響の体が光り始める。


 俺は海をイメージする。

 イメージメーターが伸びてゆく。

 MAXになった所でコンソールを叩く。


 始まりは青緑の点だった。

 それが視界の3分の1程度に広がる。

 青緑色なのは空の色を映してるからで、海水自体は透明である。


「お、南国みたいになってきたな」


「でも何か足りないわね」


 響は少し考えて、


「波、つまり月の潮汐力だ」


 俺はコンソールを呼び出し、『月』を表示させる。

 そしてルナに尋ねる。


「月は銀色でなくて大丈夫か?」


「なんで私に聞くの?」


「いや、お前の髪の色ーーー」


 ルナはああ、と納得し。


「別に構わないわよ。宇宙に銀色以外の月は沢山あるし」


「わかった」


 響はイメージを開始する。イメージメーターがMAX近くなる。

 俺はコンソールを叩く!


 空の一点に淡い赤い色が現れる。

 やがてすこし大きくなり、真ん丸の赤い月が現れる。

 銀色ではないがルナの瞳のような色に落ち着いた。


「きれい・・・」


 ルナの赤い瞳に赤い月が映る。

 俺は少しの間その横顔に見とれる。


 ルナはそれに気付き。


「なーに見とれてんのよ」


「べ、べつに見とれてなんていねーし」


 ルナはくすり、と笑い、


「ありがとうね」


「?」


 今の俺にはそれが何に対しての有難うなのか分らなかった。


「とりあえず次は太陽でも作るか?」


「いらないわ、お肌焼けちゃうし、今の明るさでも十分でしょ」


「植物は?」


 ルナは大丈夫よ、とだけ返してきた。


「そっか」


 響は頷く。


 二人はしばらく海と月を眺めるのであった。

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