祝!4800PV突破! 第21話 喪失

「騙したなぁぁぁぁぁ!よくも俺を騙したなぁぁぁぁぁっ!!」


「騙してなんかないわよ。やっぱ無しとか先延ばしとか未着衣とか渡してないし」


 ルナは、まあ、と言って、


「時間が経つと消えるとは言ってないよね?」


「うわぁぁぁぁぁっ!!」


 ルナは響に憐みの視線を送って、


「10分間でも十分堪能したでしょ。満足しなさいな」


「まだだ!まだ色々やりたかったんだ!!」


「あんた・・・私のブラジャーでなにするつもりだったの?」


 ルナはちょっと引き気味に、


「あんな事とかこんな事だよ!そして最後は我が家の家宝にして代々受け継がせるつもりだったんだよ!」


 ルナは響の頭をがっし、と掴んで、


「私、素手でドリアンを握りつぶせるんだけど信じる?」


 俺の頭がみしみし、と音を立てる。


「ギブ!ギブ!」


 ルナはため息をつき、


「まあここまでやったんだから中間テストはいい点とりなさいよ」


「いい点取ったらまたブラジャーくれる?あ、今度は履きたてのパンツがいいな」


 ルナは無言でガンスタン(プロレス技)を極める。


 ーーー数日後・学校ーーー


「では中間テストを始める」


 教師の指示通りに用紙をひっくり返す。


 俺はテスト用紙に目を通す。全部勉強でやった範囲内だ。簡単すぎる。


 走り出した鉛筆は止まらない!


 そして全科目を終えた。


 ーーー数日後・テスト結果公開日ーーー


 俺はテスト結果が張り出される掲示板を見に行く。

 思えば今までテストでいい目を見た覚えがない。まあ真面目にやる気が起きなかったからだが。


 しかし今回は違う、ルナに内緒で、学年上位に入ったらマーとハン(ユミたちからは却下された)から脱ぎたてパンツをもらう約束をしているのだ。


 俺は高鳴る鼓動を押さえて掲示板を見る。


 下のほうから見ていくが俺の名前がない。


 しかし上位を見ても俺の名前がない。焦る俺。


 そして、


「あった!」


 なんと学年首位!


 周囲にどよめきが走る。


「鳴神が1位?」

「嘘でしょ!?」

「Oh!ジーザス!」

「万年最下位が学年トップ?」


 お、俺の扱いがずいぶん酷いですね。ちなみにOh!ジーザス!とか言ってたやつ、日本人か?


 そしてどよめきの方向性が変わる。


「1位がもう一人いるわ」

「・・・えーとルナ様だわ」


 ルナは様付けですか。


「響とルナ様が一位・・・」

「響がルナ様から何かレッスンでも受けたんじゃ」

「響だけずるい、私たちもレッスン受けたいわ!」

 

 そこでルナがすたすたと現れ、掲示板を見る。自分が一位なのは気にせず響の順位を見る。

  

「どうやらまぐれじゃなかったようね」


 女子生徒が何人か集まり、ルナに尋ねる。


「ルナ様。響に一体どんなレッスンをなされたんですか?できれば私たちにもお願いしたいのですが」


「私は何もしてないわ、ただ、賭け事をしただけ」


 どよめきの輪が広がる。


「じゃあこれが響の実力?」

「そんな馬鹿な」


 お、ひどい言われようですね。


「賭け事ってどんなものを賭けたら最下位が首位になれるんだ?」

「なんかとんでもなくいいものに違いない」

「許せねえ」


 嫉妬の矛先が俺に向いてきたので、俺はその場を後にした。

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