祝!4300PV突破! 第19話 装備と猛勉強

 ーーー数日後ーーー


「出来ました!」


 マーとハンが新しくできた装備を持ってきた。


「お、これで対黒犬戦が楽になるな」


 新しくできた装備は全部鉄でできた胸当て、肩当て、腕当て、足当て、すべて2人分だ。


「動きやすさを落とさずに守りを固くするならこれだな」


「気に入ってもらえたでしょうか?」


 マーとハンが聞いてくる。


「ありがとう。助かるよ」


 マーとハンは笑顔でハイタッチする。


「マスター、変わったプロセシング・マテリアルや鉱物を見つけたら持ってきてくださいね。さらにいい装備作りますよ」


「ああ」


 そこでふと、気付く。


「ルナがいないな」


 マーとハンは口を揃えて、


「つるはし持って鉱山に向かいましたが」


「・・・」


 ーーー鉱山ーーー


「おーいルナ」


 全力でつるはしを振るっているルナに声をかける。


「何?今忙しいんだけど」


「もうすぐ中間テストがあるんだ。勉強を教えてくれ」


「独学で頑張りなさいな」


 にべもない。


俺は少し考えて。


「勉強手伝ってくれたら鉱夫何人か作るぞ」


 ルナの腕がぴたりと止まる。


「し、仕方ないわね。今回だけよ?」


「こっちの世界でやったほうが効率あがるからそれでいいか?」


「いいわよ。教材持ってきなさいな」


 ーーー30分後ーーー


「まず国語、『空虚』な気分、のかっこ内の読みを答えなさい。


「こうきょ」


「・・・」


 ルナは続ける。


「次、社会、土地を持つ百姓を何というか?」


「土建屋」


「・・・」


 ルナは眉をひそめる。


「次、数学、4(3x-5y)は?」


「7x-9y」


「・・・」


 ルナは眉間に手を当て、


「次、理科、2種類以上の物質が結びついて、別の新しい物質ができる化学変化を何というか」


「子作り」


 ルナの教科書を持つ手が震える。


「つ、次、英語、Aⅰ cоmes here every week.を日本語に訳しなさい」


「あなたを毎週愛してます」


 ボカァッ!


 響の頭に丸められた教科書が打ち下ろされる。


「あんた私に喧嘩売ってんの?」


「い、いや、俺はいたってまともだよ?」


 ルナは深くため息をつき、


「これは根本からやり方を変えなければいけないようね」


「というと?」


 俺は聞き返す。


「こっちの世界で2週間勉強して5教科85点台以上だったら着衣してるブラジャーあげる」


 ピシャァァァァァッ!


 俺の全身に電撃が流れた気がした。


「なん・・・ですと?」


「やるの?やらないの?」


「やらせていただきます!」


 しかし俺は念入りに、


「やっぱ無しとか先延ばしとか未着衣とかそんなんじゃないよね?」


「や、約束は守るわ」


「いやっほーう!」


 ルナはただし、と付け加えて、


「毎日の勉強後には狩りをする、OK?」


「はいっ!ルナ様!」


 こうして響の自主勉強生活が始まるのであった。

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