祝!2600PV突破! 第14話 真犯人は・・・

 ぼっこぼこにされた俺は正座をさせられていた。


「なにか申し開きはあるかしら?」


「申し開きも何もマウントポジションでぼっこぼこにされた後じゃん」


 しかしルナは聞いていない。


「さっき確認したけどあの木の上で風呂場をのぞくのは難しそうね。主に湯気で」


「だから言ってるじゃん。ほとんど見ていないって」


 ルナは響を指さし、


「しかし下着泥棒は見過ごせないわね」


「わたしはちゃんと返してくれたら匂いかぐくらいはいいかな~」


 お、ララナそれはきわどい発言ですよ。あとでお願いしてみよう。

 それはともかく、


「だから黒い大きなリスが盗んで俺のもとに送ってきたんだって」


「今のあなたのクエストレベルでそんなターゲットは出て来ないわ。まずサイズが合わないもの」


 ルナはそう言いつつも何か引っかかるものがあるらしい。


「だったらこうしよう。俺が脱衣所に隠れて

黒リスが出てくるのを罠を仕掛けて待つ。黒リスが現れたら罠を発動させ黒リスを捕まえる。これでどうだ?」


 ルナは一拍おいて、


「わかったわ。そうしましょう」

 

 ーーー1時間後ーーー


「準備完了、とりあえずお前らは水着で入浴してくれ」


「わかったわ」


 俺は仕切り板でカモフラージュしながらじっと待つ。

 しばらくすると、

 来た。

 うさぎほどの大きさをした黒リスが、脱衣所に入ってきた。

 黒リスはあたりを見回すと、一直線に下着のもとへ走り出す。

 黒リスが下着に触れた瞬間、俺は紐を引っ張る。

 上空から投網が下りてきて黒リスを覆う。


「やった!」


 響は歓声を上げる。

 浴場からばたばたとルナたちが現れる。


「捕まえたの!?」


 ルナたちが歩み寄る。


「こいつか」


「確かにおっきいね~」


 ルナの表情が険しくなる。

 ナイフを取り出すと黒リスに振り下ろす。

 黒リスはライフ・マテリアルに変わる。


 ライフ・マテリアルの3分の1が黒色に変色していた。


「なんか変わった色のマテリアルだな」


 俺が言うと、


「私たちの敵の仕業よ」


 短く答える。


「敵?」


「ゲス徒よ」


「げすと?お客さん?」


 ルナは首を振り、


「ゲスなる使徒、略してゲス徒よ」


「あんまり省略になってないんじゃ・・・」


「発音に意味があるのよ」


 ルナは顎に手を当て思案する。


「今回は様子見兼嫌がらせといったところでしょうね」


「あんまり関わりたくない相手だなー」


「何他人ごとみたいに言ってるの。あなたの世界のほうが遥かにゲス徒に侵食されてるというのに」


 え?そうなの?

 とりあえず俺は聞いてみる。


「ゲス徒の目的ってなんなの?」


「命の輝きを汚すことよ」


「命の輝き?」


 ルナは頷いて、


「生き様や表現、価値観や宗教に至るまで、すべてを汚すのよ」


「なんで?」


「わからないわ。ただ汚すのを至上の楽しみにしてるのは確かよ」


 響は聞く。


「どうやって戦う?」


「向こうの世界ではあなたは無力ないじめられっ子だけど、こっちの世界ではマスター権限があるわ」


「天地創造の力を使って戦うわけか」


 ルナは指を立て、


「その前に」


「?」


「大吾に勝てるようになりなさい。そっちが先よ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る