祝!1500PV突破! 第10話 美少女と大工
俺は森の中をくまなく探していた。
ライフ・マテリアルはあと1個でいいが、プロセシング・マテリアルはあと3個、必要なのだ。
そうこうしてるうちに、突然、森の中でギャアギャア鳴き声が聞こえた。
上のほうからだ。
俺は羽を広げて飛ぶ。
そこには鳥の巣があった。
そして巣の中にプロセシング・マテリアルも。
俺はそっとプロセシング・マテリアルを取った。
途端に、二匹のカラスどもが襲い掛かってきた。
響はナイフを振り回すが、当たらない。
羽には自動回避機能が付いてるのでカラスの攻撃も当たらないが動きづらい。
俺は急降下する。地面すれすれのところでくるりと姿勢を変え、カラスに突撃する。
回避を制限されたカラスに逃げ場はなかった。どすり、と手に鈍い感覚がはしる。
まず一匹。
もう一匹は上空を離れたところを飛んでいた。
響は構わず巣の方へ移動する。
こうすればカラスは俺の方へ向かってくるしかない。
思ったとおりカラスは巣のほうへ突進してくる。
俺はカウンターでカラスを切って捨てた。
「ふう、終わった」
ルナからもらった荷物袋にはライフ・マテリアル計4個、プロセシング・マテリアル計4個。
「とりあえず一回戻るか」
ーーールナと合流ーーー
「おかえり。収穫はどうだった?」
「ライフ・マテリアル計4個、プロセシング・マテリアル計4個」
「とりあえず大工が作れるわね」
ルナはライフ・マテリアルを三つ取り出し、宙に掲げる。
するとルナと三つのマテリアルが輝きだし、
「さあ、コンソールを開いて『大工』を選択しなさい。イメージも忘れずに」
「お、おう」
光が最大限まで輝きそして光が静まったとき、そこにはーーー
茶髪で浅黒い肌のオーバーオールを着た女性が立っていた。
女性は陽気な声で、
「よう!あたしはラーナ、あんたがマスターかい?」
「ますたー?」
ルナが代わりに答える。
「そう、この世界でただ一人、マスター権限を持ってるのが彼よ」
「そうかい。あ、ルナさんお久しぶり。で、大工のあたしに何を作ってほしいんだ?」
「ラーナさんもお久しぶり」
響はすぐに答えられなかった。
なぜなら、
ラーナは上半身、裸の上にオーバーオールを着ていたからだ。肩掛けから横パイが見えてたりする。
ルナはそれに気付いて、
「セクハラーーー!」
俺に片翼の天使(プロレス技)をかましてきた。
ーーー数分後ーーー
「なんだ、資材どころか工具もまだ準備できてないのかい」
「そうなの、まだぺーぺーなの・・・そういえば工具の分のマテリアルも必要ね」」
「ちなみにマテリアル集めを始めたのも今日です」
ラーナは腕を組み、
「あと人手も足りない。一軒家を建てるなら、最低あと三人は必要だね」
ルナは前に出て、
「そこで頼みがあるの。ライフ・マテリアルを集めるのは響しか出来ないから、暇なときにプロセシングマテリアルを集めててほしいの」
俺は横から口をはさみ、
「ライフ・マテリアルって俺しか集められないの?」
「『今は』そうよ。それでなくともあなたは実戦経験を積まないといけないのに」
「なぜに実戦経験を積まないといけないのか」
しかしその辺はスルーされ、ラーナはやれやれと、
「わかったよ。他ならぬルナさんのお願いならね」
「ありがとう。助かるわ」
こうして家作りの準備が始まった。
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