第16話金色のぷよぷよ

僕達は再び林の中を歩き始めた。


もしかして、この林を選んだのは間違いだったのでしょうか?


また前方からぷよぷよした生物が、今度は5体もやってきました。


こんなに多いなんて……。


でも僕に掛かれば安心ですよ、ミカちゃん。


僕はぷよぷよに近づかれる前に、爪を連続で飛ばします。


いつものは緑色、青色なのですが、5体の中に金色のが1体だけ混ざっています。


まずは、それに狙いを付けて爪を飛ばしました。


その隙に、他のぷよぷよに近づいて爪で2体を引っ掻きました。


すると――最初の金色は何事も無かったかの様に地面を滑って接近してきました。


「子猫ちゃん、危ない!」


ミカちゃんを心配させちゃったみたいです。


僕は、金色のぷよぷよの真上をジャンプしました。


すると、丁度僕が金色の真上に来た時に――。


頭を尖らせ、僕目掛けてその頭が伸びてきました。


「みゃぁ~!」


流石に驚きましたが、僕は小さいから身軽なんです!


僕に当る瞬間――頭の尖っている部分の横を足場に横飛びしました。


「子猫ちゃん、逃げよう?」


「みゃ~みゃ~」


僕は、ミカちゃんの心配を無くす為に、着地して直ぐに手を金色へと翳します。金色を中心に青い炎が立ち上り、火が消えた時には消えていました。


残るは2体です。


僕はいつもの様に、爪を飛ばしあっさり倒しました。


それにしても……あの金色強かったですね。


びっくりです!


ミカちゃんが僕に駆け寄って――。


「あんまり心配掛けないでにゃ」


「みゃぁ~!」


大丈夫ですよ!僕は強くて可愛い子猫ちゃんなんですから!


さて、いつもの骨を回収しないと……。


金色を倒した所に行くと、いつもの骨より大きくて色も鮮やかな骨が残っていました。僕はそれを獲り、ミカちゃんにあげました。


「こんな高価なものいいの?」


「みゃぁ~!」


「ありがとう、子猫ちゃん!」


ミカちゃんが、渡した骨を光に翳して見ている内に、他の骨を拾いに行きます。


合計5個あるので、僕が3個。ミカちゃんが2個食べました。


ミカちゃんはさっきと同じように、ぷるぷる体を震わせると……。


「わぁ~何か覚えたみたいにゃ!」


そう言って少し先にある木に手を翳しました。


すると……手の先から金属の先が尖ったものが発射され『ドンッ』と言う音と共に、木に深々と突き刺さりました。


「えっ!今の私がやったにゃ?」


「みゃぁ~!」


そうですよ!


僕には、あんな金属飛ばせませんから。


ミカちゃんも、あの魔法ならこの辺では無敵に違いありません。


僕も少し安心です。


僕は、3個食べましたが何も覚えなかった様です。


「本当に、あの魔石を食べるとこんな力が手に入るんだにゃ」


「みゃぁ~!」


「ありがとうにゃ!子猫ちゃん」


何度も、ミカちゃんにお礼を言われましたが、当然の事をしただけですよ?


そうやって道に出るまでに倒したぷよぷよは30体を越え、後半はミカちゃんも一緒に攻撃してくれました。


お陰で、僕も新しい力に目覚める事が出来て、


ミカちゃんも、更に強い攻撃が出来る様になりました。

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