5. 私は警察から逃げる
Saturday, March 17, 2018
私は警察に追われていた。何故かは分からない。何をしたのか、総動員で追ってくるのだ。私は全力で逃げた。私の方が1枚上手だ。到底追いつくはずがない。
だがこのままでは埒が明かないと、私はとある服屋に逃げ込んだ。全ての客が、私が警察から逃げてきた人間だということを知らない。私は何気ない様子で服屋に入り、スキをついて掛け並ぶ服の間に身を埋め隠れた。
やがて警察が服屋にやって来た。捜査するといってゾロゾロと入り込み、必死になって私を捜すが、誰も私を見つけられなかった。私はしめしめと思ったが、私のこの隠れ方は足が丸見えになってしまっている。もし奴等が身を屈めて捜し出せば、ものの数秒で見つかってしまうだろう。それを恐れた私は、素早く服の中から出て、壁の消火栓へと向かった。
消火栓扉の向こうには何も無く、人が1人入れるくらいの小さな空間があった。私はそこに入ると、なるべく音を立てぬよう扉を閉めた。扉の内側からは、外の様子を伺うことが出来た。私は警察が捜す様子をニヤつきながら眺めていた。
だが、刑事の1人が扉越しに私と目を合わせた途端、こちらを指差して何かを叫び始めた。馬鹿な!?そう思ったが、やはりバレてしまったようだ。
私は消火栓から出ると、服屋を飛び出し逃げ去った。
──そして目が覚めた。
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