第二部
第一話 湯けむりの中で
湯けむり立ち込める岩風呂の床に、俺――ヴァイン・リノスは横たわっていた。
寝転がったまま空を仰げる、露天風呂である。
しかし……今は、のんびりと空を眺めていられる状況ではなかった。
全裸の女たちに迫られ、押し倒されていたからだ。
「ふふっ……ヴァイン様ったら、さっきあんなに出したのに、もう元気になってますね……さすがです。素晴らしい回復力です♪」
俺から向かって左。
少女のような無邪気さと、淫魔のような妖艶さを併せた笑顔を浮かべて、ラクシャルが俺を見下ろす。
「はぁ……ヴァインくんっ、ごめんね……あたし、先生なのにこんなことして、軽蔑されるかもしれないけど……自分を抑えられないの……」
向かって右。
紅潮した顔で俺の瞳を覗き込みながらも、自分の中の何かを堪え切れない様子で、タマラが体格に見合わない豊かな胸を揺らして身をくねらせる。
「お……お前ら、おかしいぞ。ちょっと待……うっ」
俺の言葉を遮るように、いきり立った股間に、たわわな四つの膨らみが押し当てられる。
「あはっ……♪ ヴァイン様の、私の胸で擦ってあげたらピクピクって跳ねました♪ これ、気持ちいいんですね、ヴァイン様?」
胸に実った豊かな双球を捧げ持ち、その柔らかさと弾力で俺の局部を責め立てながら、ラクシャルが艶めかしく微笑む。
「んっ、ヴァインくん……これ、ダメだよぉ……胸をむぎゅむぎゅって当ててるだけなのに、触れてるところから熱くなって……んはぁっ♪」
小柄な体と不釣り合いに大きな、ラクシャルのそれに匹敵する巨乳をどうにか腕で支え、俺の昂りを圧迫しながら、タマラが甘い声を漏らす。
……極楽のような気持ちよさだった。
硬く屹立した俺自身を、ラクシャルとタマラが二人がかりで左右から挟み、擦り、圧迫してくる。
ラクシャルが献身的に奉仕してくるのは珍しいことではないが、普段は奥手なタマラまでもが行為に夢中になるのは珍しいことだった。
いや、それだけではなく――。
「余をのけ者にするでない……余も混ぜるのじゃ……ちゅぷ、ちゅっ……♪」
熱っぽい色に染まったゼルスの顔が、俺の股間に近づく。
柔肉の谷間から飛び出した剛直へと、ゼルスは躊躇なく舌を這わせ、音を立てて舐めしゃぶってきた。
「れる……ぁむ、ちゅっ。はぁ……先っぽから、何か、出ておる……んっ。変な味じゃ……腹の底が、熱くなってしまう……」
俺自身の形をなぞるように、ちろちろと丁寧に舌が這わされる。
ラクシャルが不満げに眉根を寄せて、抗議の声をあげた。
「ゼルス様、独り占めはずるいです……私だって、ヴァイン様のモノをいっぱい舐めて差し上げたいのに……」
一方、タマラはまだ奉仕に夢中だ。むしろ自分から快楽を求めるように、胸の先端をモノに擦りつけては、断続的に甘い声を漏らしている。
「はぁぁっ……! これ、気持ちいい……っ。いけないのに、こんなの……あたし、先生なのに……うぅ、でもっ、我慢できないよぉ……」
「んん、んっ……余も、堪え切れぬ……ちゅぱっ、ん、もっと出せ、ヴァインっ」
「もう、ゼルス様ったら……しょうがないですね……じゃあ、ヴァイン様にいっぱい出してもらいましょう? もっと濃いのを、たっぷり……えいっ♪ えいっ♪」
タマラ、ゼルス、ラクシャルがそれぞれの意思で俺のモノに殺到し、欲望のまま全力で責め立ててくる。
我慢など、できるわけがなかった。
「うっ……ぐ、出る――ッ!!」
放水のように勢いよく、大量の白※を噴き出す。
「ふゃあっ!?」
一番顔を近づけていたゼルスはもちろんのこと、左右のラクシャルとタマラの顔や髪にも精※が降りかかり、どろどろに汚していく。
先走りとは比較にもならないほど濃厚な、雄の熱と匂いを浴びたことで、三人はほとんど同時に裸身を小さく跳ねさせ、軽く達したようだった。
「はぁ……あ、っ……ヴァイン様ぁ……勿体ない、ですっ……ぺろ、れるっ……」
「ラクシャルちゃん、あたしも……ヴァインくんの白いの、もっと味わわせてよぉ……んっ、ちゅ……こくっ……♪」
三人の女たちは、果てたばかりの俺のそれへと顔を寄せ、甘露を貪るように白※を舐め取っていく。その刺激で、俺は再び奮い立たされる。
その明晰な快感に、これが夢ではなく、紛れもない現実なのだと実感する。
だが――何かがおかしい。
ラクシャルはともかく、ゼルスやタマラがこんなに夢中になって奉仕してくるなんて、普段なら有り得ないことだ。
いったい、どうしてこうなったんだ……?
記憶は、数日前まで遡る。
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