第26話 エッチしちゃった……のアンドロイド
右に左に車体をバンクさせて軽快に走るGPZ900R、ニンジャ。
夏美さんは大変気持ちよく乗っているようで、鼻歌交じりに操作している。
ブレーキレバーをグイっと握り急減速し、ストンストンとシフトダウンする。ガードレールに頭が触れるか触れないかの所まで車体をバンクさせコーナーをクリアしていく。
手を伸ばせば路面に届きそうだ。
俺は正直、心臓がのどから飛び出るんじゃないかって位にビビっていた。
「正ちゃん。体の力を抜いて。硬くなってると運転しにくい!」
俺も二輪免許持ちだけどこんなペースで山道を走ったことはない。
「分ってますけど、もうちょっとゆっくりお願いします!」
必死に訴えるのだが……
「あら~、まだまだ余裕だぜ。もっと飛ばすかな?」
余裕で却下された。
「これ以上は勘弁してください」
「了解♡」
少しはゆっくりしてくれるかと思えば、一気に加速する。ちょいと長い直線道路で限界近くまでエンジンがうなる。200km/h以上出てるかも。俺、ここで死ぬかも。今、本気の恐怖を味わっている。
15分程度で笠山の紀子博士宅に到着した。
俺はびっしょりと冷や汗をかいていた。息も上がっている。
「夏美さん。ちょっと休憩しましょう。着替えたいし。着替えあるかな」
「もう、情けないんだから。ここで車に乗り換えるわ。秋吉台までツーリングに行きたかったんだけど無理っぽいわね」
夏美さんに連れられ紀子博士宅に入っていく。人は誰もいないようだが、アンドロイドが数体出迎えてくれた。
洋室に通された。
ここは元リゾートホテル。
ベッドが二台並んでいる。ツインルームというやつだが、リゾートホテルなので部屋はかなり広い。
まだ午前9時にもなっていない。たっぷり冷や汗をかいたのでバスルームへ入ってシャワーを浴びる。そういえば昨夜も入浴していなかったなと思い、石鹸で体を念入りに洗う。シャンプーで頭も洗う。全身くまなく洗い実にさっぱりとした。
備え付けのバスタオルで体を拭きながら部屋へ戻るとそこには悩ましい姿のミサキさんがいた。
ララと一緒にいたミサキさんだ。間違いない。ほとんど下着姿と言っても良い恰好でソファーに座っている。
キャミソールというのだろうか。白っぽい下着が透けて見える生地のものだ。その下に下着。ピンクの花柄のブラとショーツが見える。立派な胸が突き出ているのが悩ましい。
俺はバスタオルで体を隠し、モジモジしながら尋ねる。
「あの~ミサキさんですよね。どうしてここに?俺の服は?」
「ちょっと匂ったので洗濯中です。乾くまで一時間ほどお待ちください」
「その間の着るものは……」
「着なくても良いのでは?私と楽しみましょう」
「楽しむって何を?」
「堅苦しいことは抜きにしましょ。コーヒーでもお飲みになって」
ポットに入ったコーヒーをカップに注いでくれた。
俺はミサキさんの反対側のソファーにバスタオルで股間を隠しながら座る。
砂糖とミルクを入れかき混ぜる。コーヒーのかぐわしい香りが胸いっぱいに広がる。
俺は一口飲んでからミサキさんは飲まないのか気になった。
「ミサキさんはコーヒー飲まないんですか?」
「ええ。先ほどいただきましたから。それに、そのコーヒーは正蔵さん専用特別製ですよ」
俺専用?何の事だか……
体が動かなくなった。しゃべれない。声も出ない。
どうしたんだ。
そこへ夏美さんが入ってくる。
様子を一目見てからニヤニヤ笑う。
「うまくいったみたいね」
ミサキさんは頷きながら怪しく微笑んだ。
「ええ。さあ始めましょうか」
夏美さんは着ていた服を全部脱ぐ。見事なプロポーションなのだが、俺の目線は股間に行く。うっすらと陰毛が生えたそこから目が離せない。セックスできるアンドロイドってのは本当だったんだと実感する。
夏美さんは股間を隠していたバスタオルをはぎ取り、お姫様抱っこをして俺をベッドに運んだ。
ミサキさんも下着を全て脱ぎ俺に覆いかぶさってくる。唇を奪われ口の中に舌が差し込まれる。既に固くなっている股間には夏美さんが唇を寄せてきた……
[自主規制中です。回復するまでしばらくお待ちください]
それから約2時間、俺は二人の美女に弄ばれ、存分に性的快感を味わった。途中からは体が動くようになり、むしろ積極的にセックスをした。今度誘惑された場合には断れるだろうか。いや、断れはしない。自分の弱さを自覚した。そして、椿さんを裏切った罪悪感が心を蝕んでいく。
「正蔵さんありがとう。この精液ちゃんと役立てるからね」
ミサキさんはチュッとキスをして、手を振りながら部屋から出て行った。
そうか、そうだった。俺の精液を採取する為だったんだ。ただ精液を採取するだけじゃ味気ないからと二人がかりでセックスをしてくれたんだ。俺に対する思いやりの行為、そう思うと気持ちが楽になってくる。
ミサキさんより先に部屋を出ていた夏美さんが戻ってくる。大きなトレイを抱えていた。お皿におむすびとオードブルが乗っていた。
「少し早いけどお昼にしましょう。ではどうぞ」
テーブルにお皿を並べ、お茶を入れてくれた。
しかし、すぐに食べる気にはならなかった。
「正ちゃんどうしたのさ。まだお腹空かない?」
「いや、そうじゃないんですが」
「椿姉さんの事?」
「ええそうです」
「いきなり襲った私達が悪いんだよ。正ちゃんには責任が無い。それに、椿姉さんの為に正ちゃんの精子が必要だった。だから気にしない。万一、椿姉さんが愛想を尽かしたら、オレが面倒見てやっからさ。安心していいぞ」
そういう風に言われても安心できるわけがない。
しかし、そうやって気を使ってくれる夏美さんのやさしさが嬉しかった。
※物語の演出上、道路交通法違反をしているような表現をしております。当作品は道路交通法を軽視する意図はなく、ルールとマナーを守った安全な運行を推奨いたします。
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