【2024年版】ウェブ小説を書籍化する実情を分析してみる

タチマチP

001_ウェブ小説が選ばれる基準とは?

※下記の内容はある程度推測で書いていますので、

 すべてが正しいと鵜呑みにしないでください


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 ウェブ小説は、出版社の編集担当者にとって、宝を探す場所である。


 わざわざ自分が一人ひとりのクリエイターを対応しなくても、勝手に作品を投稿してくれるから、あとは自分が選別して金脈を探すだけで済む。

 しかもコンテストという形で定期的に明確な応募を募ることが出来るので、より自社が欲している作品コンセプトを見つけることが出来る。

 インターネットで誰でも作品を出せる広場ができる現在だからこそ、メジャーとなった方法だ。


 ところで、ウェブ小説が選定される基準は何だろうか。

 作品の面白さはもちろんのことながら、もう一つ非常に重要視している場所があると思われる。


 プロモーションだ。

 出版社がウェブ小説を拾って出版する理由は、もちろん本を売って儲けを出すためだ。

 一人ひとりの編集担当者は、クリエイターを見つけて自分がプロデュースすることで利益を出すのがメインの仕事なので、それが出来ないと仕事ができていないことになってしまう。


 一般の顧客に本が売れるかどうかの基準は、発売前時点でのプロモーションによる周知具合だ。

 ある程度人気がある作品であれば、最低限これくらいは売れるだろうという目標指数を立てることが出来る。

 本を出版するのにはお金がかかるので、編集担当者的にも、ある程度売上が見込める作品でないと、予算を通すことが難しいのかもしれない。


 むしろ、人気さえあれば、ある程度クオリティが低くても目をつぶってもらえる。

 今の時代、面白い本より売れる本。

 いや、昔から変わらず売れる本が正義だと思うが。


 少なくとも、どんなに面白い作品でもウェブ小説の一つとして投稿しているだけでは、まず出版社から声がかかることはないと思う。

 気づかれないし、見られても売れるかわからないと捉えられてしまう。

 本を出すというのは、結構ドライな選定基準だったりするのかもしれない。


 本来は、出版社が作品の良さを最大限に見出して、プロモーション活動を含めた上でプロデュースするのが当たり前だが、プロモーション=売れるというわけではないこの時代、売れるか不明瞭な作品に予算を注ぐ余裕は無さそうに思われる。


 実情でいうなら、クリエイター個人の努力によって人気が出たところで、出版社が手を出して本を出す契約をさせてくれというハイエナ形式にはズルさを感じる。


 編集担当者ってなんだろうと思う瞬間だ。


 ただ少なくとも、マンガはクリエイターが気持ち立ち位置が強くなっていると思っているが、小説に関しては、まだまだ出版社のほうが勢力は強いと思う。


 せこいなぁと思いつつも、まだまだ頼らざるをえない人達だ。

 ただ、向こうも向こうで、そういうやり方じゃなきゃ予算的な話を進められない時代に巻き込まれているということだけは把握してあげないといけない。


 最初は互いに作品を作ってやる、売ってやるという、利用し合う形かも知れないが、良きパートナーとして、互いに社会に大きなお金を生み出すよう、協力できる仲間になれれば良いと思う。


 そのためにも、ウェブ小説を書く人で、本を出したい人は、より強いアピールをし、編集担当者もニッチな作品でも丁寧に分析して拾い上げるくらいの気質を持つぐらいの体制を持ったほうが、互いに少しずつ幸せになるのではないかと感じている。

 お互いのもう一歩踏み出した繋がりを意識するべきだ。


 時代の流れが変わろうとも、クリエイターと編集担当者は切っても切れない存在だということでしょう。

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