game06 夜会
私は、また支給されたご飯を食べて今晩も過ごすのだと思っていた。
私は途方に暮れて、疲れ切っていた矢先だった。
「とにかく、4人残りましたよ、関口さん」
「あー、次は俺達4人の中に人狼が1人いるはずだ。その裏切り者を排除する」
「いえ、私ではありませんよ」
何やら、関口くんの名前が挙がったことから、あの時一緒にいた4人の声だろうか。
何を話してるのか聞き耳を立てた。
すると、あの時関口くんにベッタリと一緒だったオタク系男子の山本望夢が、関口くんに対して何やら言っていたのが偶然聞こえてしまった。
「あの、本当に俺を生かしてここからリタイアさせてくれるんですよね?」
「あーもちろんだ、無論、このゲームが終わるまでは俺に協力してくれ」
その会話はまるで、リタイアを条件に飼われた仔犬のようだった。
その言葉に信憑性の欠片もないのに、信じるその山本さんはただの、バカ正直だと思った。
急に、先程吊られてもいいと言っていた一花ちゃんが、何やら不穏な行動を見せた。
関口くんにくっついて、2人でその席をたった。
まずいと思い、近くのトイレに私はすぐ駆け込んだ。
「ん??なにか物音しなかったかな?」
「気のせいだろ、今日も一発ヤラセテくれよ」
「あ、うん」
一花ちゃんの表情は険しかった。
もしかすると、あの3人は弱みに付け込み、助けることを条件に3人を飼ったのだと思った。
私はこのままではまずいと思った。
なぜなら関口くんが人狼の可能性が高いからだ。
案の定、関口くんと一花ちゃんは女子寮の、多分一花ちゃんの部屋へ向かったのだ。
私は一花ちゃんのことが心配になり付いて行くことにした。
そして、先程一緒にいた2人もさっきの席から離れていた。
このメンバーを呼ぶとしたら、関口組とでも言うべきだろうか、このゲームの派閥である。
そんなこんなで、関口くんと一花ちゃんは、そのまま部屋に入っていった。
私は一花ちゃんの部屋の前で聞き耳を立てた。
「優しく……して…く……だ、、あ゛ぉ」
何やら変な声が聞こえた。
ぺろぺろと体を舐め回す関口くんの前で、一花ちゃんは舐められて感じていた。
「あ〜ぁぉお゛んんん〜」
なんとも言い難い声だ。
外にまで漏れるくらいの喘ぎ声、私は外でずっと我慢を堪えた。
「中は、、、中はダメ〜〜〜」
中でフィニッシュしたようだ。
そして、すぐして扉がガチャっという音がしたので、私は慌てて、自分の部屋にもどった。
とは言っても、一花ちゃんの部屋とはだいぶ離れていた。
気付かれてないか不安だった。
そして、私は関口くん達の話を聞いて恐れた。
明日の会議で関口くんを潰さないと私たちが負けると思った。
何より、一花ちゃん達も帰されることなく、地下牢に落とされるだろうと思った。
あの男の目は嘘をついてる目だったからだ。
私はなにか手を打とうと考えたが、私の脳ではまともにいい案が浮かばなかった。
すると、部屋のドアを叩く、ノックの音がした。
コンコン コンコン
「あ、はい」
私はそっとドアを開けた。
その前に立っていたのは、関口くんと一緒にいた音羽心美の姿だった。
私は何がどうなってるのか、関口くんが私に仕掛けてきたトラップとさえ思った。
「ど、どうしたんですか?」
「話があるの中いい?」
私はそう言われると、そのまま中へ入れた。
「私実は占い師なの、そんで、あなたを市民と初日の白通知で知っているの、そこであなたに相談してるんだけどいい?」
事実なのか嘘なのか、今の私にはわからなかった。
とりあえず聞くだけ聞こうとした。
「はい」
「私は今晩関口くんを占った、その結果は明日になればわかるんだけど、恐らく人狼と出ると思う。そこで私たちでそいつを倒す」
関口くんの言いなりになっているんじゃなかったのか、私はそう思っていたのに、心美さんの口から、倒すという言葉が出るとは思わなかった。
「ま、まって、具体的にどう倒すの?」
言い合いで勝てるとも思えず、私はどうやって関口くんを倒すのか気になった。
「ゲームを乗っ取る。つまり、明日私が占い師を名乗る、そして関口くんに人狼と告げる。その反応を論破する他ないわ、だからその論破の役目を任せたい」
私がその役目を出来るのか不安だった。
私には言葉の語彙力もない、説得力がない、何も取り柄のない女なのに、無理としか思えなかった。
でも、私を市民と見てると言っていた。
その結果は合ってるし、信じたいところでもある私がいた。
私に決断が迫られていたのだ。
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