game04 はじまり
各々の夜アクションを行う。
私は市民であるため、指示があるまで、部屋で待機をしていた。
もう時間は21時を指していた。
とりあえず、今晩はここまでが流れだろうと私は自室のベッドに横になり、寝ることにした。
変わった環境なせいか、それは寝付きは悪かった。
朝、会場中にメロディーが流れ、朝がやってきたのだ。
すると、朝6時丁度に放送がなる。
「今朝死体はありませんでした。つまり監禁された人物はいませんでした。皆様今日も一日楽しく過ごしましょう」
それだけを言うと、放送は止まった。
私らは、とりあえず部屋を出ると目の前、昨日は置いてなかった机が置いてあり、食事が用意されていた。
優しいのか悪魔なのか、どちらかにして欲しいものだ。
私たちは顔を見合わせながら、その食事に手を出す。
そして、昨日の言われた通りであれば、夜20時になると怪しい人を決めなければならなかった。
つまり、それまでに話し合う時間が必要だった。
とりあえず女の子達は、昨日と同じ会場に入ると、既に男の子達が来ていた。
「よし、集まったようだな」
いきなり仕切ったのは、佐伯紀一、眼鏡をかけて、見るからに頭脳派だと思われる。
「じゃあ、今から1時間程度は議論時間にして、その後は自由時間にするとしよう」
慣れてるかのように円滑に話を進める。
「おい、待てよクソメガネ、てめぇがなんで仕切ってんだよ」
それを見かねたいかにもヤンキー面した筒井星哉という男がそれに突っかかる。
「じゃあ、あなたは話を円滑に進め、人狼を見つけることは出来るのかな?」
「仕切ってるてめぇが人狼だろうが、人狼は吊られたくないがために、この場を仕切るのは目に見えてんだよ」
その論争は増す一方だった。
その時、ギャルのような綺麗な女性が、場に割り込んだ。
「あのさ、どうでもいいけどそれ、逆じゃない?」
その言葉は筒井さんの心にグサッと刺さった。
「はぁ?さては、てめぇこいつとグルだな、おい、みんな聞いてくれ、こいつら2人人狼だぞ、このゲーム楽勝だな」
「単純で馬鹿で能無しには分からないでしょうね」
筒井さんは、さらに言い返される数々の言葉に腹が立ったのか、ついにその七瀬桐枝さんの胸ぐらを掴んだ。
そこに普通の一般男性に見えるが、見た目はSPでもしてるかのような、名前は神代伊吹が、その手を止めた。
「筒井、お前は暴力で人を解決するのか?」
「な、なんだと」
神代を見て、筒井さんは怯えたのか、震えながらその手を離す。
「要は仕切るから人狼だと思ってるならお前はただの大バカだ。確かに人狼も仕切るかもしれないが、まだ初日だ。つまり、目立つような場所にノコノコ現れると思うのか?」
私もその言葉を聞くと、確かにと思った。
神代の言葉にはそれだけの説得力があった。
筒井さんの言動が収まり、佐伯さんがまた話し始めた。
「今回、市民が勝つ条件は人狼を全員始末すること、ここからどう攻略するかの話し合いだ」
佐伯さんが場をまとめると、一同は静かに己と向き合い考える。
すると、少し幼い巨乳の女の子、小桜一花が手を挙げた。
「どうした?」
「あの、私吊られてもいいですよ」
周りのみんなは驚いた表情で、一花ちゃんの方を見た。
私はここで初めて話した。
「あ、あの、それって監禁されてしまうんですよ?いいんですか?」
そういうと、一花ちゃんは、目の色を変えて説明してくれた。
「このゲームは、リタイアするのに、1億円の返却に加えてさらに勝利した賞金1億円を払うこと、つまりいつ終わるかもわからないこのゲームで、まず全員がリタイアすることは実質不可能です」
確かに、支配人が言っていたことを振り返れば、およそ2人から3人、早ければ6人は脱出できるが、少なくとも市民陣営が勝つことを想定するなら、市民陣営の1人は絶対監禁される仕組みになっているため、リタイアできない。
そして、そんなに上手く行くわけもない。
「そして、今回重要なのは占い師さんなんです。占い師さんは初日、人狼ではないプレイヤーを予め教えて貰ってます。そして、その人は今後も占うことが可能です。だとするならばその人が死ぬのを避けるための犠牲は付き物ということです」
私は深く頷いた。
一花ちゃんのやろうとしたことはメリットでしかない。
ただ、今晩噛まれる危険性もあるが、それはどの道同じことだし、今占い師を出すことは逆効果だから、取るべき行動は、一花ちゃんのように占い師を守ることなのかもしれないと気づいた。
「そして私は、占い師ではないのでここで監禁されます!そして、へ2回へと進みます」
一花ちゃんは2回戦へ進むことを決意したのだ。
ただ、ここで本当に吊るしていいのだろうか、一花ちゃんの反応からすれば、市民であることは間違いないと思うからだ。
一同は深く悩んだ。
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