game02 集いし猛者達
会場の扉を力強く開き、中へ入っていく。
すると、そこには他にも人がいたのだ。
仰々しい猛者達が私を睨むかのように、こちらを見る。
私が最後の参加者らしく、私が入場すると、中央の画面が点灯し、画面が切り替わった。
「ようこそ、我の名は支配人とお呼びください。それではこれから行われるゲームについてご説明します」
支配人と呼ばれる人が話を始めた。
途端に会場の空気が変わったのがわかった。
「まず、この会場のルールについてです。それぞれにゴールドプレート、つまり1億円を寄付しました」
その言葉を聞いて、みんな自身のプレートを見て驚く。
驚くものもいれば、冷静かのようにポケットに手を突っ込むものもいた。
「それは、ゲーム終了後に回収します。また、勝利陣営には、さらに1億円を寄付します。もし、第2回戦以降参加したくないのであれば、それを返却することでリタイアすることができます」
つまり、ゲームに勝利して終えた場合、ゴールドプレートの1億円を返却の上、さらに渡された1億円を返却すれば、リタイアが可能となる。
言えば、勝てば0円のままここを抜け出すことができるということだ。
「ただし、負けたものにはゴールドプレート返却の上、1億円の借金を背負ってもらいます。これを肩代わりできるものとする」
上手い話だと思っていたが、やはり負けた時の負債があるのは、なんとなく察してはいた。
しかし、運営の意図はいまだわからない。
私たちに何をさせようとしてるのか、これをして何になるのだろうか。
「また、ゲームの途中で吊り、噛みと言われるようなアクションが行われるのですが、いわゆるゲーム強制退場させられたものは、ペナルティとして、全額の半分を失います」
つまりゴールドプレートは1億円なのだから、吊りとか噛みとか言った類で、強制退場させられた場合はそれの半分なので、5千万円失うということになる。
ゲーム途中であろうと、失うパターンがあるということだ。
でも、ゲーム終了後に1億円は返却しなければならないのに、5千万円失えば、1億円返却なんて無理だ。
「おい、その支配人さん、あんたらの言ってることはわかったが、吊り?とか噛み?とかってやつで退場させられて、もし半分失った場合の1億円必ず返却ってのは無理じゃねぇのか」
黒いタキシードを着たオールバックの男が、みんなが思ってることを言ってくれた。
「いい質問です。これから行われるゲームはチーム戦です。チームが勝てば、1億円手に入るので、必ず返却はできるが、リタイアは不可能。また負けた場合は、地下牢に入って、自分の借金の返済に見合うだけの仕事を人生をかけてやってもらいます」
その言葉にむちゃくちゃだと思った。
多分私だけではない、ここにいる誰もがそう思っただろう。
「さらに、これから1回戦を行うが、2回戦以降ももちろん用意されていて、会場は幾つにもわけて同時進行しています。もし、全部に勝利したチームは1人100億円を贈呈します」
一同目の色が変わった。
「ひゃ、100億って言ったら、どんだけ遊べんだよ」
「うるさいわね、あんたみたいな猿が勝てるわけないでしょ」
100億円と言う言葉に舞い上がってるようだ。
そして、私も100億円は欲しいとは思ったけれど、勝てる自身もないから、早く離脱したいと思った。
そして、この会場における全てのルールを説明が終えると、中央カーテンが開き、女性スタッフらしき人物が、何やら手に持ち、こちらへ歩いてくる。
私たちの中心で止まると、名前を読み上げる。
「
「うす」
一人ずつ名前が呼ばれ、呼ばれた人は前へ行き、なにやらカードを手渡しされる。
「まだ、見てはいけません。裏向きのままお持ちください」
なぜ見てはいけないのかわからなかった。
「
そして次々呼ばれる。
「
「
「
私の名前がもうすぐ呼ばれると思うと、なぜか緊張してきた。
「
「
「
とうとう私の出番がやってきた。
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