最終回
「あっ!シロ久しぶり~」
私は1年ぶりになる友人と会った。
「久しぶりだねアカリ。そっちの大学はどうなの?」
「すっごいレベル高くてついて行くだけで精一杯だよ」
アカリは高校生活を送る中で唐突に、
「私、医者になりたい!」
とか言い出して、そのまま有名大学に進学した。
「それにしてもアカリが医者になりたい、なんて言い出した時は驚いたよ」
「あの時は思い切りで言ったけど。こうして医大生になって本当によかったと思ってる」
誰かの幸福になりたい。いつもアカリが言っていたことを彼女は医者という道で成し遂げようとしている。
「シロは大学馴染めた?」
「まあここら辺で一番近い所選んだから友達は居たし」
「シロならもっと良いところ行けたのに・・・。やっぱりレイラさんなの?」
「まあ少しだけ・・・いや、結構・・・」
私は下を向きながら、小さい声で言った。
「これは入り込むスキなんてないね」
「ご、ごめん。そんなつもりじゃ・・・」
私はアカリを傷つけたと思いとっさに謝った。
「そういう所も丸くなったよね」
「そうなのかな・・・?」
私とレイラさんの関係も、あの日から少しだけ変わったような気がした。
「私は・・・レイラさんの事が好きなのかも知れません」
「えっ?」
レイラさんの箸が止まった。
「それは友達的な意味で・・・?」
「・・・多分違うと思います」
これが恋なのかも分からなかったが、こんな気持ちになったのは初めてだった。
「私はどうしたらいいのかな?」
そんなことを聞いてきたレイラさんあ笑顔だったが、そんな中にも真剣な面持ちが見えた。
「・・・答えてくれますか?」
「珍しいね、シロちゃんが答えを求めてくるなんて」
「それだけ大事ってことです」
「・・・だったらごめんなさい。私にはまだ答えられないかな・・・」
間を開けずレイラさんが言った。
「私、あんまり人を好きになったことなくて、よく分かんないんだけど。でもシロちゃんのこと大事にしたい」
私も一緒だ。
「何だかごめんなさい」
「ううん、こちらこそうまく答えられなくてごめんね」
これだけは聞いておきたかった。
「レイラさん」
「ん?何かな」
「・・・これからもご飯食べに来てもいいですか?」
「やっぱりシロは今は幸せなの?」
「うん。多分生まれた中で一番だと思う」
「そうよかったね。私は家に行ってくるからそろそろ行くね」
「私も行くよ」
私たちはカフェを出て駅で別れた。
(今日はレイラさんの料理当番だったよね)
「ただいまー」
私もだいぶこの挨拶に慣れてきた。
「あっ、シロちゃんおかえり~」
「今日の夕飯は何ですか?」
「なななんと!カレーだよ!」
「そこまで引くほどのものでも無いですよ、カレー」
おかえり
私と彼女の不思議な関係 fin
私と彼女の不思議な関係 安里 新奈 @Wassy2003721
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