第24話 切り替えスイッチ

お洒落を楽しむ工夫をしましょう!

春夏秋冬。

私達の国には四季がある。


「・・・・。つまり、スマートな生活を送るには、一家族1人につき4つの箪笥タンスが無ければならない。」


安山アンザンさん、中身の話ですよ。衣料品のリサーチ入ってきましたよ。」


「あー・・。はい。衣替えの時期なんで、自宅の押入れから春夏物引っ張り出していて、洋服の入れ替えが一苦労で。」


「安山さん、マメですよね、忙しいのによくやりますよね。」


「洋服を引っ張り出してきたら懐かしいビンテージのThe WhoのTシャツが箪笥タンスの奥から出てきまして、それがこれ。」


安山はTシャツの裾を横に広げると、野々美に見せた。


「飾っておいた方がいいのでは?」


「うーん。貴重な服が増えてくると、着なくなってくるんですよね。」


「私のヴィヴィアンウエストウッドのワンピースと一緒ですね。」


「着てくればいいじゃない。」


「オフィスでshowは出来ません。」


「野々美さんは以前、ファッション誌で仕事していたと聞きましたが。」


「はい。少しですが、今はここですよ。世界観はもう違いますから。」


「そういう仕事をしていた場合はもう、カメレオン化してくるんだよ。

そのヘアカラーは名残があるって。

古手川さんと打ち合わせには行けませんよ。」


「いいんですよ。最近の古手川さんのお店のPic Upはかなり危険ですからね。

安山さん、そのー、毎日お洒落したい!って人への工夫は認知度を広める事でしょうか?」


「いやぁ、身に付けて納得か、見せて喜ぶかでしょ。」


「ファッションも対象があるんですよね。私は社内でそんな意識は無いんですが・・・。」


「その世界に居たからですかね。

対抗してると戦いが始まるから。ほぼ自分対象でしょ。」


「モッズTシャツ着てたら、ふふふっと安山さんパソコン破壊しそうですよ。」


「僕は、ポールスミス重ね着してるから大丈夫。」


「それじゃ逆じゃないですかっ。」


「自分への投資。スマートにぶつからずに進みたい時。crashしてたら穴開いて、ボコボコでエンストですよ。

女性同士もフェアで無ければ年齢で一区切りがありますから。その時はその時しかできないスタイルってあるでしょ。」


「では、喜んで楽しませてって場であれば、思い切ったスタイルでも好評になる訳ですよね。」


「毎日の区切りをつければーーー

出来るよね。

一つの仕事が完了した時点とまぁ、良い結果が出れば、周りもそんな喜ばしいムードで明るくなるじゃないですか。」


「それいいですね!

切り替えスイッチを入れるという、爽やかな風を送るんですね。」


「あと、入手しにくい服は、特別タイムの方がおススメ。

私も欲しいなって届く範囲の洋服ですよね。」


「安山、野々美さん、ちょっと来て。」


2人で話していると、古手川さんから進行状況を報告するようお呼びが掛かった。


「進み具合はどうだね。私が思うには、学生の内にお洒落に目覚めると、部活に入ってたら普段着はジャージしか着ないでしょう。

だから殆ど私服は年に数回の休みに力を入れるはず。

とっておきの一張羅イッチョウラで出掛けるも、割と服の数は多い。

と考えたが。

お二人はどうなの?」


「古手川さん、お疲れ様です。

野々美さんとはオフィスファッションの方向でリサーチしておりまして・・・・・。


今回は

『切り替えスイッチで爽やかな風を』


毎日お洒落したい人への工夫という中で、区切りを付けて気分転換はどうかと。」


「四季で区切ったら年に4回ですからね。」


「お二人とも学生のファッションリサーチでは無かったの?」


「学生の方向性はまだでしたが・・・・。

洋服に拘れば帰宅したら、すぐに着替えていましたね、僕は。」


「帰宅して化粧して衣装合わせしたりね。」


「野々美さんは、それで何処へ出かけたの?まさか塾へ?」


「ふふふ。違いますよ。内緒です。」



*********************


取り替え、引き換えトリカエテ。


くるくる売る売るドントコい。


お洒落が楽しめたお礼にと、トントンシュッシュと恩返し。


花咲作家の昨年の機織り優勝者は、繋ぎ合わせた巨大なこたつカバーであったとさ。

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