第19話 アンコール 3&4



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アンコール 3

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お店屋サンにあんこーる。


まだれの中の占い師。店のご主人様でございますよ。店?

ですよねぇ・・・。


「お客様、ご来店でーす。って、きたる客。

これから先の、この店の「未来の夢」が現実に行われているのにもかかわらず、ご主人?どこですかぁ?

まだれの中にいるのですから、少しは予想してみてくださいよ。」


しかし、店内は、何処となく澱み、私のメガネレンズも二度、三度と拭きましたが、ショーケースの中身はいったいなんなのやら・・・。


いや、あれ、店内には、テーブルセットにメニュー等も置かれているじゃないですか、あー、しかし皿もコップも、そのままで、ちょっと、

ク、クサイッ!?


こういった場合、もう超人の出番ですね。


どうでもよさが、目に付くと。

ええ、ええ、まぁね。

どうにか、生き延びられると冒険ってぇのは、無駄なんですねぇ。

忙しいのが、身体に染み付いて痺れちゃうねぇ。

めんどくせぇなと定番屋。


超人であるのならば、超人にできるはず。


青のりが歯に付いている事を指摘された場合、その青のりについて考えられる人は、超人。

何故、付くのか?とか、

青のりの色が可愛ければ、いいね。とか、

青のりに見えなくする。とか・・・。


付かない青のり。


いっそ、青のりなど、この世から無くなってしまえば・・・・。


これは、考えない。

超人はこれは考えない。

しかも、指摘した人を褒めたりする超人もいる。


さて、超人、出番です。


息を潜め、存在を消す店主から、豚肉五百グラム。

「それ、ホントに豚肉か」


「テーブルがあるという事は、こちらで食べても良いのですか?」


「トントンコロコロ、トンコロッケ。

コロッケでしたら、召し上がれますよ。

今から揚げますんで、チョットそちらでお待ちくださいな。」


闇市でねぇ、橋の下のお兄さんが鳩に餌やってるのを見かけまして。暖をとりつつね、焼くと。

チキンソテーなんて洒落たメニューかどうかは、最後まで見届けなくてはわかりません。


熱心に、熱い心で働いて。見届けくれる人がいるんですから。

豚肉なのかと疑われるなんて、何を言い出すのか。


「そんな事を言われた事は無いもんで。」


しかし、あまり肉屋のご主人は怒ってないねぇ。


「面白い事を言うもんだ」


楽しんでくれました。


なので、しばらく、この店で買い物をする事に。




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アンコール 4

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良薬は口に苦しと言いますが―――。


実をつんで、くり抜いた木製の器ですりつぶしペースト。木の樽に入れ、熟成させてと寝かします。一定の温度で、自然発酵。プツプツと泡立ち、生きております。良い状態ですね。長年の経験と職人技で、見事なワインが出来上がりました。

 ――と、さまざまな発酵食品がございます。

身体に良いから食べてみて。長生きするぞと、先代から受け継がれ、混ぜに混ぜたぬか床やら、風邪もひかぬと勧められ、アマゾンの先住民お手製のバナナもち。

練り上げたバナナにタロイモを加え、葉で包み込んだものを、わらと一緒に土の中に埋めてあったもの。それを干し、乾燥させ、保存食として食べていたらしい。

冒険のお土産と、病気にもならないというウワサのバナナもちを頂いた。

日本に住んでいたら到底食べる事のない食品。

「食品ですよね?」

苦いお薬は、オブラートに包んで。

小さなお子様でも飲みやすくと工夫をするもんです。

美味しいが嬉しいと。


「で、食品ですよね?」


発酵食品=身体に良い。



生き抜く為に保存したとなると、時代錯誤しているのでは?

御先祖様が、枕元に現れて、

「今時何をやっているんだ!」

と、ホテルでフルコースを召し上がっておりました。

成分として、抽出するというのが人間の知恵。良薬であるのなら、世界中に広まるハズ。

なぜ、アマゾンでのみ食べられているのか?


クサイ、クサイと喜ぶのは、一家団欒でお父さん、うっかりのおナラなんて、楽しい時間もありますが。


「オレを急がせるんじゃねぇ。」

お酒がグチをこぼしましてね。


いや、違うんですよ。美味しい方がね。


ノーベル賞と五つ星レストランってのは、目的が別って。


新しく建設された総合病院に、海外から修行を終えたフランス料理人日本人シェフが、働いてるっていう、なんかやり切れないこのせつない思いは、アマゾンからのお土産を貰わなければ、わかっても

らえないと。


美味しいが嬉しい。

ですよね。


こうなったら見極めるのは、科学者にお願いしなければ、ならなくなる程、危険が一杯ある訳です。


「・・・どうしても抽出出来ない部分があるというんですかっ!?」


「ワシがこの店をやっているうちは、この味を守り通すと」


その意気込みであれば、味にも保証はあるもんです。但し、どうですか?


常連さんは、増えていますか?


息子さん、お店を継ぐおつもりで?


相変わらずの大賑わいに大繁盛ですしねって。


味の無限化は、変化を恐れると、毎日かかさず、チェックしております。



「お肉屋さぁーん、お客さん連れて来ましたよ。」






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