第19話 アンコール 3&4
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
アンコール 3
_______
お店屋サンにあんこーる。
まだれの中の占い師。店のご主人様でございますよ。店?
ですよねぇ・・・。
「お客様、ご来店でーす。って、きたる客。
これから先の、この店の「未来の夢」が現実に行われているのにもかかわらず、ご主人?どこですかぁ?
まだれの中にいるのですから、少しは予想してみてくださいよ。」
しかし、店内は、何処となく澱み、私のメガネレンズも二度、三度と拭きましたが、ショーケースの中身はいったいなんなのやら・・・。
いや、あれ、店内には、テーブルセットにメニュー等も置かれているじゃないですか、あー、しかし皿もコップも、そのままで、ちょっと、
ク、クサイッ!?
こういった場合、もう超人の出番ですね。
どうでもよさが、目に付くと。
ええ、ええ、まぁね。
どうにか、生き延びられると冒険ってぇのは、無駄なんですねぇ。
忙しいのが、身体に染み付いて痺れちゃうねぇ。
めんどくせぇなと定番屋。
超人であるのならば、超人にできるはず。
青のりが歯に付いている事を指摘された場合、その青のりについて考えられる人は、超人。
何故、付くのか?とか、
青のりの色が可愛ければ、いいね。とか、
青のりに見えなくする。とか・・・。
付かない青のり。
いっそ、青のりなど、この世から無くなってしまえば・・・・。
これは、考えない。
超人はこれは考えない。
しかも、指摘した人を褒めたりする超人もいる。
さて、超人、出番です。
息を潜め、存在を消す店主から、豚肉五百グラム。
「それ、ホントに豚肉か」
「テーブルがあるという事は、こちらで食べても良いのですか?」
「トントンコロコロ、トンコロッケ。
コロッケでしたら、召し上がれますよ。
今から揚げますんで、チョットそちらでお待ちくださいな。」
闇市でねぇ、橋の下のお兄さんが鳩に餌やってるのを見かけまして。暖をとりつつね、焼くと。
チキンソテーなんて洒落たメニューかどうかは、最後まで見届けなくてはわかりません。
熱心に、熱い心で働いて。見届けくれる人がいるんですから。
豚肉なのかと疑われるなんて、何を言い出すのか。
「そんな事を言われた事は無いもんで。」
しかし、あまり肉屋のご主人は怒ってないねぇ。
「面白い事を言うもんだ」
楽しんでくれました。
なので、しばらく、この店で買い物をする事に。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
アンコール 4
_______
良薬は口に苦しと言いますが―――。
実をつんで、くり抜いた木製の器ですりつぶしペースト。木の樽に入れ、熟成させてと寝かします。一定の温度で、自然発酵。プツプツと泡立ち、生きております。良い状態ですね。長年の経験と職人技で、見事なワインが出来上がりました。
――と、さまざまな発酵食品がございます。
身体に良いから食べてみて。長生きするぞと、先代から受け継がれ、混ぜに混ぜたぬか床やら、風邪もひかぬと勧められ、アマゾンの先住民お手製のバナナもち。
練り上げたバナナにタロイモを加え、葉で包み込んだものを、わらと一緒に土の中に埋めてあったもの。それを干し、乾燥させ、保存食として食べていたらしい。
冒険のお土産と、病気にもならないというウワサのバナナもちを頂いた。
日本に住んでいたら到底食べる事のない食品。
「食品ですよね?」
苦いお薬は、オブラートに包んで。
小さなお子様でも飲みやすくと工夫をするもんです。
美味しいが嬉しいと。
「で、食品ですよね?」
発酵食品=身体に良い。
生き抜く為に保存したとなると、時代錯誤しているのでは?
御先祖様が、枕元に現れて、
「今時何をやっているんだ!」
と、ホテルでフルコースを召し上がっておりました。
成分として、抽出するというのが人間の知恵。良薬であるのなら、世界中に広まるハズ。
なぜ、アマゾンでのみ食べられているのか?
クサイ、クサイと喜ぶのは、一家団欒でお父さん、うっかりのおナラなんて、楽しい時間もありますが。
「オレを急がせるんじゃねぇ。」
お酒がグチをこぼしましてね。
いや、違うんですよ。美味しい方がね。
ノーベル賞と五つ星レストランってのは、目的が別って。
新しく建設された総合病院に、海外から修行を終えたフランス料理人日本人シェフが、働いてるっていう、なんかやり切れないこのせつない思いは、アマゾンからのお土産を貰わなければ、わかっても
らえないと。
美味しいが嬉しい。
ですよね。
こうなったら見極めるのは、科学者にお願いしなければ、ならなくなる程、危険が一杯ある訳です。
「・・・どうしても抽出出来ない部分があるというんですかっ!?」
「ワシがこの店をやっているうちは、この味を守り通すと」
その意気込みであれば、味にも保証はあるもんです。但し、どうですか?
常連さんは、増えていますか?
息子さん、お店を継ぐおつもりで?
相変わらずの大賑わいに大繁盛ですしねって。
味の無限化は、変化を恐れると、毎日かかさず、チェックしております。
「お肉屋さぁーん、お客さん連れて来ましたよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます