第18話 アンコール 2


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アンコール 2

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意ですからね。意を表すと。

しかし、ご意見と言われますとね・・・。


「そんな大それた事をしている訳では無いんですよ 。」


「あぁーうらやましいぃぃぃぃ-。」


なんてね。

前掛けのはじっこを噛み噛み、涙の一つでもこぼしながら話せば聞いてくれるんじゃないかってぇ。

まぁ、さかさって事ですよ。

逆さに言い、怒りをかうと。

両手を上げて、「大賛成-っ!!」

て、ラインズマンは見逃さず、黄色だ、赤だとフラッグリレー。


「なんですかっ国家資格でも持っていれば、意見を言ってもいいんですかい?」


肯定されるのは、誰だって嬉しいもんで。

ヒーローの決めゼリフを子供がマネしてね 。

テーマソングを歌いながら変身ベルトを付けるでしょう。


三角巾にお団子売ってりゃぁ、かなりの好感度で、頭の中にメロディが流れるってのに、

男の料理教室と顔を出したら、バンダナ巻いてね。


「いつから、カウボーイになったんだい?」


お代官様の名場面でと、探偵がナゾを解き、


「こぎたねぇ店だけど、味は逸品」

って。


見た目ってぇのがまた問題でして、

外国のお方でも、これはご意見あるんじゃないですか。

味覚の違いはあたりまえ。言葉の壁もありますから。

世界レベルで勝負したいなら、まずは見た目が共通点。


「ハンドブックに載らなくてもいいんだよ」


「隠れた名店でございまして。」


戸を開けたら、カウンターで店主が高いびき。


「ほら、だから医者を呼んで下さいよ。」


「寝てるのでは無いですよ。

あれは、忍術の一つです。」


「おやじさぁーん、いつもの。」


なんだ客かと、ずいぶん面倒くさそうに起き上がって、厨房に入ったと思ったら、どでかい寸胴から湯気がくるくる立ち上がり。


並べた器にタレをちょいと流し込む。


「あぁら、ふわりとずいぶん良い香りだねぇ。」


見れば器は、九谷焼とぉ、これまたどっしりしたどんぶりで、黄色い麺を湯で上げて、どこから出たのか、透んだスープに、一つ二つ三つ四つとワンタンがのっけられてね。


薬味をかけて食べましたら、あまりの旨さに感心しましたよ。


その時点で、ご主人は、良い人と。

善人ですよ。


「善人ですと、客につかまるってぇ わけでしてねぇ。」


数も限定させて頂いて、客が気に入っては、誰にも教えたくないと。


「店の外側もガタついているんですがねぇ。」


「植木でも飾れ!」


なんて置かれましたら、まったくこの一郭では、店なのか、ほったて小屋なのか解らなくなってる始末でして。


都合良く不都合がある場合。

肯定していても困ってしまうならば、もうコーチングするしかないわけで。

傷つけず、ソフト忍者と申しましょうか。


達成前の段階から、ある所からある所へ。

それを救えるのは逃亡者だ。


その中で店をやり続け、やり遂げる。

現在、逃亡者している人は、その街から外れ、波からも弾かれ、気づかずに、まだゆんらりと考えているのだろう。


その場から逃れている事は、欠陥品のおまけを大事に温めているのと変わらなく、いつかのいつで立ち止まる。


進むのならば、逃亡者をその逃亡者から奪い取る事を望む者がいるだろう。



「あの店へ、4人を交互に伺わせましょう。」


「リフォームした方がいいと話しても、なかなかおやじさんは理解してくれませんからね。」



京響ケイキョウ野々美ノノミの場合〜


「いやぁ、このワンタン麺はほんと絶品ですよ。」


「でも、常連さんが行きづらくなるって・・・。」


「私もなんだかんだ1年通って、食べてるけどね。」


「まさかこんな所にワンタン麺店があるなんて誰も思いませんからね。」


「食のオアシスか。クラフトビールも合うしね。」


「京響さん、いつの間にクラフトビール飲んでたんですか?」


「野々美くんは、ワンタン麺が目的でしょ。」


「そうですが、ラーメン専門ではありませんから。私も頼んでいいですか?」


「どうぞ、しかし野々美さん。グルメ情報の収集では体重増えるよ?」


「古手川さん、そんなに予算は無いそうなので、心配ご無用です。このお店も古手川さんが行ってこいって。」


「グルメ企画と言って、それじゃ古手川さんの行きつけの店って事じゃない。」


「まぁ、そうなりますかね。京響さんのサポートって事ですよ。手強そうですよね、店のご主人。」


「いや、しかし、実は先日、こちらとはもう仕事させてもらったんですよ。

パソコンのシステム関連でね。」


「そうなんですか?」


「ここはあと、蒸し鶏も旨いよ。

取材はもうお願いしたの?」


「ご主人にはまだ話していません。」


「この店、席が6席しか無いよ。」


「そうですよね。おかしいですよね。取材なんかしたら大変ですよ。」


「しかも、混雑したら私もワンタン麺食べられなくなるじゃない。」


「・・・・やめときますか。

古手川さんの目的は、他にもあるんですよね。

だって看板も無いですから。」




善堂ゼンドウ茶見子チャミコの場合〜


「九谷焼の大どんぶりが、見事です。」


「善堂さん、食べるの早いですね。」


「勿論。麺類は熱いうちにね。

茶見子が追加したフォアグラと鴨ロールも濃厚でベスト。」


「パクパクと善堂さんは、美味しそうに食べますよね。

私、このお店ってファンが沢山いそうなので、オリジナルグッズといいますか、例えば蓮華など販売するのもいいかと。

あっ善堂さん、ビールですね。麻辣麺も注文しましたので。」

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