第17話 アンコール
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アンコール
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アンコール。
でしょう。
沢山のムダを元通りに。不必要だと、消えるよりは、少しお時間を下さいな。
待ちに待った!待ってましたぁ。
お待ちどう様。
リクエストにお答えしまして、こちらも十分ご用意させて頂きました。
確か私がお頼みしましたのは、かれこれ三十年も前の事。
これは、またまた、たいそうなお話になりそうですが。
「旨かった。」
と頭の片隅にちょこんと乗っかって、互いにも認識されるわけでございます。
なかなか持てなさそうで、
ありそうな時間。
心の拠り所。
そこまででなくとも、せめて、腕時計のネジを回せる余裕。
では、ないですか。
いつも、必ず。
とっても大事な事ですが、ちょっと余聞に言いますと、
余らせては困りもの。
余らせては困るけれども無くなってしまったもの。
リメイクと言われ、どう頭を捻っていいものか。
「活躍してるね。」
そうなのだ。
活躍している事が重要である。
タンスの奥で眠っていた洋服と裁断したての布生地で、今日はミシンでお裁縫。
眠っていなくちゃいけないのでしょうか?
そうなると、もう片方はナルコレプシー。会議中も眠っていなければなりません。
スタンバイはいつでも。
そのアピールはどこまで届いているのかという事です。
余り物とは呼ばないで、この道一筋に賭けてみるのか、三叉路に迷い込むのかはあなたの腕の見せ所。
その迷路を歩いていたら、竹林の中には一匹のパンダ。
パンダが美味しそうに、笹を
そこは小さな一軒家。
引き戸のガラス戸の奥には、鉄板の置かれたテーブルに赤いカバーの丸椅子が並ぶ。
引き戸を開けると、焦がしソースの良い香り。壁には、札が下げてあり、その札には「キャベツ」もう一枚の札には「たまご」とあった。
「はい。ご注文は?」
「おばちゃん、キャベツ。」
「キャベツね。」
赤い吊りスカートをはいた小さな子供がテーブルの前に一人、座っている。
鉄板に火が入り、小さな銀色のぼーるめんきが運ばれてきた。
おばちゃんは、手際良くスプーンで混ぜると、テーブルの隅っこに置き、奥へ消えていった。
子供は、ぼーるめんきの中味を鉄板の上に流し、焼けるまで、おとなしく待っていた。
そして壁にかけられた「たまご」の札を暫く見つめていたが、片方が焼けたのをヘラで確認するとペタっとひっくり返して、ヘラで押さえ、狐色に焼けた所で十字にトントン。
ソースをかけて一口、二口。
3口目でさらに返す。
ソースを焦がし絡め、四口目で全部平らげた。
「おばちゃん。」
子供が呼ぶと、おばちゃんは奥から出て来てカラになったぼーるめんきを片付けた。
子供はテーブルの上に50円玉を置くと、引き戸を開け、元の道へ走って行った。
大人びたソースせんべいである。
駄菓子屋の喧騒の中、くつろぎをそこへ求める。
「現場で学ぶという事ですね。」
「頭の中だけで、学習したって、先は見えない。」
「企画部から営業へ移ったって聞きましたが・・・。」
「その前に、倉庫にもいましたよ。」
ケンケンパ。ケンケンパ。
「チョークを1本下さいな。」
「昔は一本づつ買えたもんですが、今じゃダンボールに山積みで仕事していますよ。新発売されたBOXチョーク。
このチョーク、折れないってところがミソ。」
「子供達は力加減が難しいから、ボキボキ折れるでしょ。」
「道路交通法に違反しますから。駄目ですよ、横断歩道を作っちゃ。」
渡る為には、超えてはいけない何かがあるというんですか?!
もう迷路に迷っているではありませんか!
活躍してくださいよ。
活躍している物です。
子供達への必要なアピールと
大人へのアピールでは、決定権が大人にある事の方が殆どです。
「もう用がないよ」なんて言わずに、梨だって水々しくって美味しいですよ。シャキシャキっとジューシー。
蟻の実ですね。
働いて、働いて冬を過ごす為への貯蔵庫へ。一つ伺ってみました。
シャキシャキ感が残っている方が梨らしくていい。
このシャキシャキをキープして飲むゼリーはいかがですか?
梨と合わせてメロンと一緒にチアシード。冷たく冷やしてサングリア。
「フルーツカクテルに赤ワインを注いだものです。」
明日はフランスへ出張ですか?
そんな気分に酔いしれて。
先月の企画から、結果を突きつけられ、もう崖っぷちのあなた。
その後、数百名のラウンダーを雇い現状マーケティングと動いているのです。大丈夫。
困ってる?
困ってない。
そこでお困りのあなた様は、営業中でもいいですからシャキシャキ考えてみて下さい。
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余聞
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「絵を捨てられた。」
「絵を捨てられた。」
「絵を捨てられた。」
「最悪最悪最悪最悪」
「捨てやがって」
「捨てやがって」
「捨てやがって。」
「簡単だ」
「カンタンな事だ。ムダは捨てられる。」
「ムダを欲しがる奴なんていねえよ。」
「視界から消えればせいせいする」
「三度見せたらもう終んじゃねぇか」
目をつぶって街を歩いた
「いらねぇ」って歩いた
「消えねぇっ!」
どなり叫び散らしても
―――「あるけど?」
カンタンに捨てんな。
「オレはいるんだよ。」
「カンタンにいらねぇって言う奴は、
一つしか見えないね。」
当たって当たって適中かぁ。
「散弾だ。」
五十m、百m、
ぶち抜いて砕けて、
コルク引っこ抜いて
「ガス抜けだ。」
なまぬるい風をこっちに向けて
「とっかえひっかえ捨てるんだ。」
「鼻歌歌えばわかるだろ。」
少しはわかる。
わ・か・る・奴はぁ
海岸線に沿って切り抜かれた空をよじ登って戻す。
「あらよっと」
ゴミ収集車は、用意のベルト。
くしゃくしゃ縮んだちらしに何が見える?
資源と感性は完全に引き離され、
必要の命のみ温められ、
ムダを探す。
ガムが無くなったら、万札ガム。
腹ペッコぺコでもいちまんえん。
「いちまんえん?」
紙に包んでまるめて広げて、有り難いね。
PCと携帯が同期してこちらの情報が
アプリが住所録ですって。
電話BOXに電話帳が置いてあった時代とどちらが便利でしたか?
「ジェームス・JK・・・ジェームス・BW・・・ジェームスOKと」
ジェームスさんのお宅を見つけるまでに30分かかりましたよ。
グーグルアースで5分程度。
「もしもし、お客様、日本って良い国ですよ。」
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