第6話 長編コメディと短編コメディ。ミスへ。違う見方をされた場合。

「くすぐられて、笑い死にした人がいるらしい。

間違った事を面白いと感じるのは、浅はかなスタイルへの忠告で、そうやって机に向かっている様な事をしていると益々ミスを拾われるわけ。」


歯を矯正中の染目木そめきさんは、黄緑色のマウスピースを光らせ、パイプを吹かすと、ピンポン玉を空中に浮かせ、持っていたスプーンに乗せては投げと集中トレーニングをし、一九三〇年にイギリスで放送されたという石川五右衛門を見ていた。


「しかし、重要なのはその人。

その人って事で何処を見られているのかの必要性がわかりますね。

つっついてくるなら、そこが巣になる。

で、ニョロニョロと出て来た虫で1日しのげる様になるのなら、どうしますか?」


善堂ゼンドウさんは、うなづきながら染目木ソメキさんに尋ねる。


「どうすると思う?」


「ニョロニョロを探すでしょ。」


「でも、安定した打率で最後まで最終的にはリーグ優勝しなければならない危機感のある中で、何を選び求めるかなぁ。」


虫入りテキーラを輸入しても、懐が温まるのはメキシカン。

モスラを育て面白がるのは、子供か学者か。


京響ケイキョウさんは、染目木さんのピンポン玉を取ると、ペン先で、高く打ち上げた。


「スタイル観察中ですが、ニョロニョロはニョロニョロであり、そのニョロニョロを重要視するのって、その人の思う所が別にあるとも言える。」


染目木ソメキさんの笑いのツボって古風ですよね。」


野々美ノノミさん、ニョロ一つ。」


「もっと実は、違う所を見て要求しているかも。

ちょっと、つぼの位置をずらすんで、イタキモが延々続いちゃったりする事になるでしょう。」


京響ケイキョウさんは、ニョロニョロ好きなんですか?」


「笑いのツボってそれぞれあるからね。ニョロニョロ言われるとね。」


「ふーっこれもきりがない。」


京響ケイキョウさんは、肩が凝ると呆れていた。


「それぞれのミスと・・・。」


「ミスの次元。程度の丁度。」


古手川コテガワさんは、ヒラメキを頂きましょうと、皆の話を聞いては感心した様子で、企画書に目を通していた。


「そうかね。私はその人の柔軟性が面白いと思うけどね。

もしかしたら、努力家でガンバリ屋。

体にも気を使うだろうから、マラソンを日課にしているとか。

細やかに気配りができる人で、一番情報が好きなのかもしれないね。」


染目木ソメキさんは面白そうに


「本屋にはよく行くはず。

細やかな気配り。」


と、ニョロニョロを押していた。


「志気を高めて清潔感でしょうか?!

ギャーって言われる場合の対処方法を持っているんですか?はははっ!」


「スマートな平成ニョロに怒る人もいるのでは?」


京響ケイキョウさんは、興味深そうに、

「ニョロニョロが好きでしょうが、毎日虫し取りカゴを片手に生活している人は少ないよ。」

と、需要の少なさを感じている様子だった。


「ギャ-ッをおおっ!!にしているのが、わかって頂けないと、辛いよね。」


「喜ばせようとしているのに、怒られちゃってね。」


「人は見た事でも確認をするからね。それと、聞いたもの。プラス味覚かなぁ。」


「質感もありますよね。」


野々美ノノミ染目木ソメキさんは、善堂ゼンドウさんの話に乗り気だ。


「一般的に、虫取りカゴがケータイなんですよ。で、ニョロニョロを自分の巣で集めている人は、ヘタすると、背日性ハイジツセイの体質になっちゃって、グングン伸びるのは良いんだけど、栄養の取り方が深過ぎて伝わりにくいと。でも、沢山あるんだったら凄いと思いませんか!!」


「しかし、善堂ゼンドウさん、効率を上げる為に最小限のサイズで、ピカピカに磨かれた自家薬籠中ジカヤクロウチュウの物を持ち運びしやすく、コンパクトにするわけ?」


「コンパクトにするのが上手だと、とってもなんだかスッキリ見えてしまいますね。」


「そりゃぁ野々美ノノミ君、デッカイ荷物を担いでいるのって、やっぱり格好悪いのかってね。箱に綺麗に並べて置いてあるのと、まぁ、書類の山にうずくまっているのと・・・。」


京響ケイキョウさんは、メジャーへの不満があるのか、ニョロニョロをまとめる事を反対している。


「ニョロニョロそうなると・・・。ニョロニョロの持って行き方で、そのニョロニョロが、かなり違って見えますよ。

大袈裟な仕掛けを考えて、魔法を唱えたくなるのもわかります。

うずうずしてくるんじゃあ、ないんですか?」


染目木ソメキさんは、黄緑色のマウスピースをカタカタ鳴らし、頭を振るとニッコリ笑った。


「・・・って、しかしそれじゃぁ虫取り籠を気球にでもしないと、勿体無い!もう、頭の中は、かなーりぃなサイズ。コンパクトのさせ方が重要な鍵。」


「やはり、訳の解らない呪文を唱えられたら、ギャ-ッてなりますからね。」


善堂ゼンドウさんは、何か考えがあるのか、


「乗ります?気球に?」


と大きくでたが、


「バルーンが大き過ぎて、押さえ切れませんね。それは、あり得ない。」


染目木ソメキさんも慎重だ。


「だ・か・らぁ、別の所に行ってしまっては、困るんですよ。リーグ優勝がかかってるんですから。話を聞いたばかりに、机に向かい自主学習って・・・優等生だなぁ-。」


京響ケイキョウさん、しのぎを削る訳ですよ。ニョロニョロですからね。」


「しかし、そんなにニョロニョロで仕事をしている人がいるんですか?!」


「いるから対処法を考えているんだよ。野々美ノノミくん。注意警報、危険信号、騒げば世の中パニックになる。

その前に、学習したことでの予防対策。そして未来へ向かえば、新たな可能性が見つけられるだろ。」


「もうニョロニョロを二度と口にしないって念を押して言っても、

何年か後に、あの時はっ・・・

って話題になったりして。ミスなのに、ミスが貴重になる時代ですか?」


「呪文を拾われ、ギャ-ッを押さえて飛び渡るのって、ガス切れ要注意ですよぉ。深くとも、高くとも。

teaching inと集会を開いたら、もうこれは、喜劇です。」


「でしたら、会場で開催しませんとね。チケット用意しますか?」


「とにかく、争い事では、青い吐息しか出ないんじゃないの?

グッドニュースで行きましょうよ!

良い物でも見落とされてね。

フットワークが重いんですよ。

勿体無いからこそ早急に。

世界を平和にする為に貢献するのです。

仕事ですから、一般的に少し考えてみましょう。」


すると善堂さんはおもむろに、


「質感がツルツルで。」


「質感がツルツルで冷え冷えでいいと?」


「でなきゃ、ダイヤル式に戻ると、言っているでしょう。」


「善堂さん、クールですよね。」

茶見子は呟いた。


「古手川さんの、サービス精神に影響を受けてるんです。頑張っているのに、なかなか成績が上がらないと・・・。

あの会社にはまだダイアルが沢山ある。そこでバランスを取っていったら、そうなったの。」


「北極行きですかぁ?」


「適材適所で考えてみましょう。一番情報が好きだから、新聞をコンパクトにしてみたら喜びそうでしょ。

新聞ですから、勿論情報が盛り沢山でないと納得しないかもわかりませんが、毎日発行している新聞は既にある。

毎日大きく広げずにブック形式の新聞。

折ってね。

小さく。

新聞そのままコンパクト。

ちゃんと毎日販売してね。新聞だから。」


「移動時にも便利なブック新聞。キオスクとかにもあったらね。」


「キオスク?」


「そこで、クールに。」


「コンパクト新聞を勧めた訳です。」


「携帯じゃないじゃないですか。」


「茶見子君、指輪サイズのハイテクを、いとも簡単に導入出来ると思うかって。」


「一日に吸収できる人間の頭の中は、なんギガバイトですかね。

スーパーコンピューターの巨大さって、訳がわからないですもん。」

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