第2話 茶見子の凱風


心理的なリサーチクラブ。


アンケート同様だが、もう少し食い込んだシュチュエーションにした場合、

どう思いそれを選んだのか。


その一つのものが数多く選ばれたと、

答えが浮かび上がったとすれば、それは売れるとか。

その色がどう動くとか。

それで食べているとか、

何を要求したいのか、しているのか、していないのか。

奥深くわかるのでは?


そのリサーチクラブを設立したのは、古手川コテガワさんで、ある日、その会社を訪ねる事になる。




「例えば・・・、気を使って、相手に席を譲る、並んでいて順番を譲る、残り物でいいから、お先にどうぞ。

なんて、まぁ、少し周りから褒められたい、良く思われたい、などとね、そういった事を思う所がある人かもしれないでしょ。

だから、ざっくばらんに言うと、

美容。

洋服とかね。

お洒落に気を使う人。

美容院でシャンプーを勧められ、買うタイプの人。

なので、混み合った店で最後の方に来たお客さんに、新商品の珍しい品を並べて、見せたらいいんじゃないの。」


「そうですね、お先にどうぞ、と席を譲ったりするのって少し目立った行為にも捉えられますね。」


「売り上げが伸びない店を、一つ一つ回って行きますか・・・。

私は、これでもアイディアマンなんだよ。」


「相手の話をよく聞いて下さいよ、古手川さん、率直すぎるから。」


「ヒントだよ。ずーっと考えてもね。気分転換するだろう。

刺激を求めて出掛けたりと同じで、模様替え。

人はいろんな意見を持ってるもんだ。

でも、客観的にアイディアを出すってのが、

この仕事。私の仕事なの。」


「古手川さん、それぞれ個人で経営している小売店、飲食店ありますよ。

中小企業も多いですし、フリーで働いてる人。なんていうか・・・

きりが無い。

きりが無いんですよ。」


「じゃ、占い師にでもなりますかい。心理的に希望を予想して、当たり、ハズレで仕事しようってんじゃないけど。

形にならない物を売るからねぇ。

ハズレても、いいじゃないかと。」


「夢の島に、来てくれる人は、新しさを求めてると思うんですよ。使い終えたゴミの上を美しくした所に集まって、進化していく事。

だからといってやはり、ハズレって嫌ですよ。仕事無くなったら困りますから。」


「私達が夢の島行き・・・。ふふ、きりが無いねぇ、考えてるのも。」


「私は、この際もう少し、範囲を広げてみたらと。アタック範囲です。」


「何が欲しいかなぁ。私が最近気になるのは、欲望の抑制。

表立って売れているわけじゃないけど、売れている。というもの。

だから買い方も派手じゃないんだよね

控え目に、夢を集めて。

独りよがりで、いいでしょうっていうのは、まぁ、

それぞれの趣味だから、勝手に買う。」


「収集癖のある人。それ、古手川さん、お抑えていかないと。

古手川さんじゃないですかっ!

早朝から、いつも骨董市に行っては、蕎麦猪口眺めて。」


「手に入れられない貴重な物は、眺めさせてもらって楽しんでるわけ。

私は、日常使う、絵の愉快なのが好きでね。骨董市自体が面白いだろ。

控え目なの。買う事ができないってのも、残念だけど、隠忍自重いんにんじちょうの忍者様、忍んで忍んでってな生活をしてる、コツコツ貯蓄型の人達もいるからね。」


「国民性もあるんじゃないですか。

控え目ですよ、日本の人って。

貯蓄するとか、大人買いするとか、なんにしても、あえてそれをやるっていう、その意志の強さというか、逆にわりと素直にできる人って好感度はある。

どかーんと奮発したり、行動する事で、煙たがられる事もあるけど、

どこか皆、始まりを期待してる。


規模ですよね。隣りで見れる毎日の楽しみ。

あっははってね。


でも、それで、満足するなら、ポスター貼っとけって、ペタペタ飾り、

よぉこそぉ、マイスペースへ!

ですよ。ね、


もう少しね、私は、アタックしたいんですよ、古手川さん。


アイディアとして皆に提案する事で、

喜んで頂ける仕事ですけど・・・。

形をと、考えてるんですよね。」



「ふーん。茶見子チャミコ君は、形をと・・・。そうなの。

リサーチの何?形象化したものを数々作り上げて、沢山売るわけ?


特定の方にうちで提案したものを、他にも適用させちゃうの?

それは、どうかなぁ。


私のコレクションを、国民一人一人持つようになるかねって。

蕎麦猪口で、新米かっくらってたんじゃ、足りないでしょう。

主食変えちゃう気かい?


アイディアマン捕まえて、手捻りで焼き物創作してくださいって頼まれてもね。

私が出来るのは、せいぜいシュウマイ弁当に付いてる醤油入れくらいだよ。」


「・・・それは、それで、わりと人気が出るんじゃないですか・・・

古手川さん。

だけど、どうゆう事なんですよ。


とにかく、一つ作りたい、創作する事で、距離が近づく。」



カメラの普及で、物事の真実はどれだけ確実に伝えられのか。


一人一台の時代。


自分が写る。

写る事で、何を見せたいのか。

が、写真には無いと難しい。

静止した写真。動きのある写真。

一枚で語り、それを見た人に伝えるのって大変な事ですね。


量は語るか・・・。

長く活動している事も一つだし、一つのテーマで、

膨大な量の作が無ければ、相手には伝わりにくい。


ぱっと一つだけ見せて、

すべてって・・・・・。

空を写しても、青。

その空が汚染されているとかって、解らせるのはムズカシイ。



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