第2話 「天使扱いされた」

 さて、この更地の中心に立つこの僕エンド・ファイザーは実は裸である。


 アホみたいな脚力付けるオプションがあるなら服も着せろあのアホ魔術担当大臣。


 視界の先100mは不毛の地としてしまったが、その先にはまだ森がある。

 結構広いなこの森。


 折角だしこの脚力を活かして大ジャンプして森の全貌と周りの地形を確かめてみることにする。


 さっきの様に逃げ足インパクトを発生させないよう、加減をしてジャンプをする。



 雲を突き抜けた。

 加減をまた間違えた。


 が、落下中に景色を見ることは出来た。


 森は思ってたよりも狭かった。

 破壊の境目の2,30m先に村があった。危ねぇ。

 そして森の外は大体平原。地平線の先には山とかある。集落は近くの村だけだった。


 そういえば着地どうしよう。


 ……身体硬化魔術でやり過ごそう。

 一応魔術はそこそこできるのだ。えっへん。


 しかしそれが過ちだった。


 硬い物が上空から超スピードで落ちてきたら、どうなるか。


「クレーターができた……」


 円型の更地の中心にクレーターが粉塵と共に発生した。


 ……あまり自然は、壊したく無いよね。


 さて、村があることは分かったが裸で行くのも、ねぇ。

 と、悩んでいたら、視界の先に変化が。


 向こうから沢山人がやって来た。

 そうだよね、こんな近くでこんなに騒いだら気になって出てくるよね。近所迷惑ごめんなさい。


 色々武装とかもしてる人間の方々にあっという間に囲まれる僕。

 一応今は人間なので逆らう理由も無い。大人しく両手を上げる。


 すると、なんか人間達がざわざわ騒ぎ始めた。

 どうしたどうしたと耳をすませて話を聞くと。


「もしかして、天使が降臨したのか……!?」


 あー、なるほど。


 裸だしね。クレーターの中心にいるしね。

 対極にいるような存在でゴメンなさい。

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