第93話 吾輩、燃え尽きそう……。

吾輩は起きた。こうもりが話しかけてくる。


「旦那、お目覚めですか?」

「やっとここまできた……」

「そうですね。大分時間がかかりましたね」

「もう七月やんけ……」

「二月に書き終わるとかどこぞのバカが申しておりました」

「……」

「まぁ1、2章の改稿しながらでしたので多少のオーバーはあって然りですが、これは擁護できませんね♪」

「………………」


ということで、吾輩です。


負けないぞと思いながら書きだしてる昨今ですが、まぁ心の声が駄々洩れな気分。これは誰のセリフなのかと迷いながらも、読み返して書き直してを繰り返しています(。-`ω-)。


ようやっとですよ………ようやっと。


三十万ぐらいのエピソードに終止符を打つ時がやってまいりましたのです。いや、実際はここからも長いのですがね。やりすぎな物語がデットエンドなので、もうこなくそって感じでやるわけなんですが………。


ここからが怖いのですよ。一歩前に踏み出すのが怖いのですよ。


これで読者さんに伝わるのだろうかとか……積み上げてきたものを爆発させる瞬間に思う。このピークをうまく書ききれなければ、失敗すれば、三十万書こうが台無しになってしまうような恐怖。ここで失敗するようでは先に進めないのだろうと。


だから、ちょっと二の足を踏んでおります(´・ω・`)。


踏み出さなければ何も意味がないと分かりつつも書ける器量があるのかと。多分足りてはいないのだろうと。頭の中に湧いてものはこんなもんじゃなかったはずだと。何日も何か月も繰り返してきたイメージを言葉に出せないもどかしさ。


盛り上げるところで盛大に滑ったらどうしようとか………考えちまうわけですよ。


一章よりも面白く、二章よりも熱く、と、


後半が面白くなるように取り組んでるだけに怖いのです_(:3 」∠)_。


イメージしたものは凡庸なものではなかったと自分で思っていても、それに自信が持てない怖さがあるのです。本当にこれでいいのだろうか。この道でいいのだろうかと。


薄いガラスで出来た板の上を歩くような感覚とでも申しましょうか。


それでも物語の中で櫻井が戦っているわけですので、


ほっておくと彼奴は闇に飲まれてしまうのか?


まぁ、そういう恐怖と戦っているのですよね。


そういう裏の意味を込めながら書いてるのですよ。それが他の者から見れば愚かで間違った道だとしても、自分にとって正しいものだと思えたなら、それが貴方の生きる上で大事なものであるなら、曲げてはいけないと。


その道の先には絶望が溢れているかもしれないけど、負けてはいけないと、


櫻井を通して戦うわけですよ。


そして、自分にも言い聞かせるわけですよ。


百五十万も書いてきたのに止まるんじゃねぇと。評価などなくとも、読者などいなくとも、その足を止めることはしちゃいけねぇのだと。こんなものを書かずに他の事をしていた方が優位意義な幸せな時間を過ごしていられたのではないかと。


それでも歩き出したからに、途中で止まっちゃいけないと。


無駄なことだし、無意味なことだし、無駄な努力だし、実力ないし、


才能も吾輩にはないのだけれど…………。


それでも書きたいから、吐き出したいから、苦しくても書くのだと。


妄想の垂れ流しで幻想に酔っていて、夢に溺れいている弱者の勝つところがみたいのですよ。だから、その想いをストーリで描き出すのですよ。


負けないよと。戦うよと。いつかみっともなくとも勝つよと。


抗い続けた先に、夢を見るのですよ。


手を伸ばすわけです。命を使って描き出すわけですよ、理想を、幻想を!


その手に掴めとぉおおおおお!


「旦那、相変わらず自分に酔っててキモいですが、何かアツイです!」

「燃え滾ってきたぁあああああああああ!」

「エアコンがない部屋でむさ苦しい!」


まぁ、そんなものは書き手の心情でしかないので、受け取り手は勝手に咀嚼して違う味に変えて楽しんで頂けたらいいなーと願いを込める吾輩です。何か絶望的なことがあった人に、何か間違ってるかもしれないと脅えた人に、夢を追い続けて苦しい人に届いて欲しいなと願います。


さぁ、ラストスパート入りますッ!


「いくぞ眷属、気合と根性だッ!」

「それで大抵どうにかなるッ!!」



《つづく》

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