第90話 吾輩は悟りの境地に至る

どうも、吾輩です。


「おーい、旦那?」


眠りから覚めて久しくお会いしてませんでしたね。いかがお過ごしだったのでしょうか?


「無視すんなー」


いい休日を満喫していたのですね。あー最近のアニメですか。どろろなど万人向けですよ。あと鬼滅の刃とか。えっ、賢者の孫ですか……?


「聞かれてないですし」


そちらに関してはノーコメントとさせていただきます。どちらかというと吾輩は盾派でありますがナフタリアちゃんが大きくなるのが早すぎた感がありますね。


こんなのナフタリアちゃんじゃないッ!


「…………」


あの幼馴染のフレーズに全てが集約されております。


あと他の勇者さんの頭の悪さが半端ないのですよ。本当に勇者か?というよりも一般常識すらない感じがいたたまれない。


「で、結局今期は何を推しているのです?」


やっぱり、この音とまれですかね。少女漫画っぽいのですが琴のお話です。ちはやふるのようにガツガツの部活ものではないですがえー大変いいですよ。部長とあの子がくっつくのかがちょっと気になる昨今です。


「他には?」


他と申されますと、やはりキャロル&チューズデーですかね。これはプロローグがいいのですよ。奇跡の七分間という単語に惹かれてみてしまいます。おまけにちょっと近未来SF的な感じもグッドです。音楽好きの吾輩にはピッタリですよ。


「デットエンドの調子はどうなんですか?」


ワンパンマンですか?えー面白いですよ。ちょっと作画はやはり一期よりは下降してる気がしますが内容が面白いですね。早く来てワンパンマンって感じです。スイリューのやられっぷりは見事な演出でした。


「おーい、都合悪いことだけ無視すんなー」


これからの異世界転生アニメ化についてですね……えぇ、ちょっと懸念があるのですよ。賢者の孫から感じる系統にちょっと陰りが見える気がするんですよ……。頭空っぽ系でいいこともあるのですがね……。


段々と人気が下がっていっている気がするのですよ……。


「旦那の作品みたいですね♪」


やはり流行の作品に訪れるタイミングですね。他の作品がとかいう問題ではなくタピオカと一緒ですよ。ブームが過ぎ去りそうな音が聞こえます。少しの違いはあれども段々とそうなりつつあるのですよ。


同じものばかりでは飽きてしまう現象が近づいてる気がします……。


「旦那のデットエンドも異世界転生だからヤバイですね」

「それとは違う」

「えっ……」(答えた!?)


これから大量にアニメ化がありますが、そろそろマズイ感じを受けるのは業界人。人気出とるうちはいいのですが、これが乱発の影響を受けることになると市場が壊滅するやもしれません。


一括りにされたままではマズイ事態になりますッ!


「……デットエンドは何が違うんですか?」

「種類が違う」

「答えたッ!?」


やり過ぎたのですよ。色々とやり過ぎてしまったのですよ。賢者の孫が悪いわけではない。これから崩壊が始まる音が聞こえる。乱発することで見えてしまうであろう事柄。類似作品の連発をするなんてことは不味いのである。


それが『なろう』の在り方だったが故にイヤな予感がする。


「では……どうしたら?」

「キャラデザだけで生き残りが決まる時代になる」

「……えっ?」


内容に違いが無いのであればキャラだけである。可愛いキャラだけが生き残る。カッコいいキャラだけが生き残る。これからの異世界転生はキャラデザありきになる可能性が高い。


「作者には何もできないじゃないですか………どうしたらいいのですか、旦那?」

「はにゃん♪とかうにゃん♪とか妖狐さんみたいにするしかねぇだろうッ!」

「世話焼き狐……」


というか、弾の出し方を間違えているのかもと思わないこともない。リゼロはよかった。あれはちょっと違ったから。無職転生はどうなるのであろう。信者多いから大丈夫と思いたいがあれも先まで読まないと楽しさが分からない作品みたいだし。


単純な転生ものじゃなくて、追放ものとか復讐ものとかジャンルがあるのに。


偏ったものばかり出してしまったのが……痛い。


と、吾輩は悟りを開いた。



《つづく》

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